「隼飛」と呼ぶ声はあまりに懐かしくて、過去の情景を鮮やかに思い出させる
オレと同じ色の髪をハーフアップに結い上げて、オレと同じような背筋の伸びた姿勢
「たかだか葬式」だなんて、やっぱりこの人は普通の人間とは価値観が斜め上にズレている。
その瞬間、殺気が有り得ないほどに加増して、思わず震えが止まらなくなる
いくら師匠と言えども、今は敵だ。
にれ君を守るために前に立とうとする
脚が、動かなかった
恐怖と、驚愕と、安堵と、
「オレが勝てるわけない」
そんな気持ち。
自分のが心の底から師と思う人に、勝てる人なんていない
隣を見るとにれ君も震えていて、守らないといけないと思う
正直、これはキツい
首を擡げて、視線を師匠に移す
どうしよう、どうすれば、なにが最善で最適か、考えないと
勝てるプランが見えない時、どう戦えばいい?
師匠と戦うイメージなんてしたことがないから何も考えられない、勝てない
師匠に襟を掴まれて意識も朦朧としているだろうに、桜くんがそう、呼びかけてくる
オレも、師匠の弟子としていられて幸せだった
ごめんなさい、師匠
無駄だと分かっていながらも、オレなりに、オレなりの最低限の抵抗をする
挑発して少しでも感情が揺らいでくれれば良いけど、そんなことで感情的になる師匠とは全くもって思えない
第一、オレにメンタルトレーニングを教えたのは師匠だ
やんわりと微笑みながら言う師匠。
これは無理だ
ノンジャンル27位ありがとうございます^ㅠ ̫ ㅠ^🐾
今なるべく毎日更新のスタンスで頑張ってますのでよろしくお願いします( / ̫ т )♫
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!