そう言って私がチャニに紙袋を渡すと、チャニは不思議そうな顔をして覗き込む。
チャニが意外と乱雑に包装紙を解いて、中身を出す。
ルームウェアブランドのお揃いのガウンで、メンズはネイビー、レディースの白を取り出し、
わぁ、と感嘆の声をあげた。
そう言って、オフィスの片隅に置かれている軽食やスナックを指差す。
忙しい時はお世話になってるから、いつものお礼でもある。
そう言ってチャニが目を細める。
すると、その目線が私の手元に移った。
ビナに強くお願いされた通り、彼にプレゼントされたシルバーのリングが光ってる。
さすがにまだそんな高いものをプレゼントしてもらえない、と言い、
それでも好きなブランドショップで好きなもの選んでいいから、と彼に引きずられ、選んだもの。
それを彼の言う通り、左手の薬指につけている。
そうなのだ。
虫除けしたい!みたいな子供っぽい独占欲を出したかと思うと、
対して職場でオープンにしたらやりにくいだろうから、と案外大人しくしている。
それでもこの聡い弟にバレてしまうくらいには露呈してはいるようだ。
好きなブランドを告げると、日が開かないうちに連れて行ってくれたチャンビナ。
私が数ある指輪をはめたり外したりを繰り返して、『これがいいかな』と指差すと、
嬉しそうに店員さんに『これ、プレゼント用にお願いします』と声をかける。
この前の高い鉄板焼きだって、そのほかにも二人で出かける度、私は全くお財布を出していない。
さすがに悪いな、と思い、せっかくならと提案する。
いや、俺はいいんだけどね!とビナはフォローするように声を上げる。
私はショーウィンドウに目を走らせると、一つのアイテムが目に入った。
指さしたのは私が選んだリングと同じシリーズのネックレス。
シルバーに少しくすんだ加工がされていて、私が選んだアイテムもユニセックスで使えそうなデザインだから、男性がつけても違和感がないはずだ。
店員さんにショーウィンドウから出してもらうようにお願いすると、快く対応してくれる。
言われる通りに後ろを向く彼の首に手を回す。
華奢なネックレスの留め金をとめて、振り向くように伝えた。
されるがままのビニが少しおかしい。
どう?と固まってる彼を覗き込むと、ブンブンと首を縦に振る。
私はそれに笑って、『これもお願いします。』と、ビニの首からネックレスを外して伝えた。
会計でもどっちも払うというビナと押し問答があったのだが、
『あなたが私に色々やってあげたいと思うように、私もやりたいんだから。』
と伝えると大人しくなった。
チャニより過ごした年月は短いけど、彼の魅力は十分すぎるほど伝わっている。
照れ隠しに視線を外す私に、チャニが微笑んで、紙袋を少し持ち上げるとありがとう、と改めて礼を言われた。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。