第77話

聞いてる本人はめちゃくちゃ気不味い
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2026/01/23 16:00 更新


マッシュが外に行ってしまった。…きまず




ドット・バレット
……そういや、スカシピアス。いつ妹に会わせてくれんだよ
あなた
だから嫌だと言っているだろう
ドット・バレット
頼むって!
あなた
却下だ
ドット・バレット
そこを何とか



しつこく食い下がるドット。気不味いしお前がアンナに惚れるから嫌なんだって!!




フィン・エイムズ
あのドット君があなた君に頭を下げてる…!? ヒソヒソ
レモン・アーヴィン
いつもなら「そんな事するぐらいなら死んだほうがマシだ!!」って言ってるのに…
…ドット君、何でそこまでして妹さんに会いたいんですか?
ドット・バレット
!そ、それは
フィン・エイムズ
良かったら聞かせて欲しいな。あなた君も、妹さんに会わせるか決めるのは話を聞いてからでもいいんじゃない?
あなた
…………聞くだけだぞ
ドット・バレット
!あ、ああ。……あんま言いたくなかったけど…そうだな、やっぱり話した方がいいよな
ドット・バレット
あれは俺がまだ小さい頃……











俺は今は強いけど、昔はそうでも無かった。
自分に自信が無くてオドオドしてばかりだったんだ。…想像つかねえだろ?

まあ他にも理由はあるんだけどさ、そのせいで俺はいつもイジメられてた。

いつも自分より大きい悪ガキどもに目をつけられて、いつも姉ちゃんに助けられて。

姉ちゃんがソイツらをボコボコにしてるのを見る度、自分が情けなく思えた。





ある日の事。その日、俺は姉ちゃんと新しい箒を買いに行ったんだ。

姉ちゃんが別の買い物に行った隙を見計らって、アイツらが俺の所に来た。アイツらは新品の箒を見て直ぐ奪おうとしてきた。

勿論抵抗したんだけど、杖を取られてどうする事もできなかった。

杖を返す代わりに箒を交換させようとしてきて、怯えながらも断ったら悪ガキのリーダーみたいな奴が怒って殴ろうとしてきた。

咄嗟に目を瞑ったが、いつまで経っても衝撃は来なかった。

恐る恐る目を開けると、そこには交差した光の輪のようなもので動きを封じられた悪ガキどもがいた。

驚いて固まっていると、何処からか綺麗な女の子がやってきた。





透き通るような白い肌に、少し垂れ気味の目。

長い水色の髪に、淡い水色の瞳を縁取る髪と同じ色の長いまつ毛。

美しく伸びた鼻筋も、整えられた眉も、桜色の瑞々しい唇も、全部が綺麗で。俺は思わず見惚れてしまった。
あんな綺麗な子一度見たら忘れないから、きっと外から来たんだろうな。






謎の少女
怪我は無いか?







まるで生きた人形みたいな女の子が俺に手を差し伸べた。


その姿があまりにも美しすぎて、俺は───












ドット・バレット
(天使??えっ、もしかして俺死んだ???)







───死んだのかと思った。



あっ、スカシピアス!テメェ今「そんな大袈裟な…」って思っただろ!そんぐらい綺麗だったんだよ!!!





ん゛ん!!…話戻すぞ。


兎に角、アイツらが殴った所が悪かったのか、魔獣か魔法で死んで天使が迎えに来たんじゃないかってそう思ってしまうぐらい綺麗だったんだ。

まあ直ぐ勘違いは解けたんだけど…


その子は縄でソイツらをグルグル巻きにして、近くの木に縛りつけた。

取られてしまった杖もまた取られないように、ソイツらから離れた場所に置いてくれた。

名前を聞こうとしたけど、女の子は今いる場所を聞いた後直ぐに魔法で何処かに行ってしまった。

あの後何度も探したけど、二度と女の子に会う事は無かった。


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