第43話

41話
388
2023/02/24 13:19
なんか、フョードルさんと太宰さんは数分世間話をした後から暗号で話だし私とゴンチャロフさんは黙って聞いていた。退屈そうな顔をしていたのだろう私に【ゴンチャロフしか知らないフョードル様】という題名のフョードルさんの面白エピソードを聞かせてくれた。


それくすくす笑いながら聞いていればおふたりの話し合いが終わったのか、隣に座っていた太宰さんに頬をつつかれる。
あなた
太宰さん?
太宰 治
君にはきっと警戒心というものがないんだろうね
あなた
失礼ですね?
私だって一応は持ってますよ?
太宰 治
ほんとに?
あなた
えぇ…………きっと多分
太宰 治
ふーん。まぁいいけど……
フョードル・ドストエフスキー
ところで、太宰きみ……
いつまでここにいるつもりですか?
武装探偵社としての仕事がおアリでしょう話は終わりました。帰ってもいいですよ?と微笑んでいるが副音声バッチリ聞こえてる。



武装探偵社の社員はみんな優秀ですからね久しぶりに“ さん ”と呼ぶあなたといれるのだから私一人がいなくても大丈夫ですよ良いじゃないか、君こそ帰ったら?。と微笑む太宰さん……こちらも副音声も聞こえてる……


ゴンチャロフさんとちらっと視線を合わせ同時に2人を見比べる。
フョードル・ドストエフスキー
皆さん優秀なのですね……邪魔しないでください
太宰 治
えぇ、もちろん嫌だね
怖い……2人の空気が怖い……なんならもう今すぐバチって感電してそのまま爆破しそうだ……なんて思った時、フョードルさんがハッと顔を上げて口を閉じ、立ち上がる。
フョードル・ドストエフスキー
すみません。用事を思い出しました。……いいですかあなた、19時までには帰ってくるんですよ?
あなた
え?
フョードル・ドストエフスキー
門限です。
あなた
もん……げん?
私もう二十歳過ぎてますが?
フョードル・ドストエフスキー
そうですが、貴女も女性ですし……心配なのですよ。ここは魔都……油断していれば連れ去られるかもしれませんしね……
じろりと太宰さんを見るフョードルさんに、なんのことやら?と首を傾げる。とにかく、無事帰ってきてください。寄り道するのは許しませんからね。と伝票を持ってゴンチャロフさんと立ち去るフョードルさん。


残された私と太宰さんは首を傾げたまま見つめ合い……少ししてからデートでもするかい?と微笑まれ、私はコクリと頷いた…………
太宰、僕はあれが食べたい!買ってきて!と右斜め前から……それなら、妾はあのアイスがいいねぇ……。と左斜め前から聞こえてくる。


言うまでもなく、太宰さんと街をウロウロしていればばったり……乱歩さんと晶ちゃんに遭遇した…………というかきっと乱歩さんに計算されていたのかもしれないが……
与謝野 晶子
それより……ポートマフィアのあんたが太宰と歩いててもいいのかい?
森さん、よく許してくれたねぇ?とアイスをやめてクレープを買ってきた晶ちゃんがつぶやく。
江戸川 乱歩
違うよ、与謝野さん。
あなたはポートマフィアを一時的に抜けてるだけだよ
与謝野 晶子
一時的?
え……アンタ首になったのかい!?
あなた
いやいや、マフィアの首はいわゆる死……怖い怖い……
与謝野 晶子
だよね?じゃあ……何があったんだい?
江戸川 乱歩
生き別れの兄がむかえにきたんだよ。しかも、普通に脅迫まがいな手紙を送り付けて
与謝野 晶子
へぇ……
でも森さんだよ?
脅迫に負けるかい?
江戸川 乱歩
だから、相手はあえて自分の名前を書いた。敵に情報を送るようなものだが、あえてそれをしたのはどうしてもあなたを連れ戻したかったから。
与謝野 晶子
でも……あなたは名前しか伝えてなかったら無駄じゃないか
江戸川 乱歩
それはありえないよ。
だって、そのアルバムには彼女の名前がフルネームで刻まれていて、しかも、組織の首領である彼が見ないわけが無いと相手も踏んでいたんだろう。
だよね?と私を見る乱歩さんにどうしてそこまで知ってるんですか?なんて質問はしない。だって、彼は名探偵だから!と答えるのは分かりきってる。


苦笑しながらも、さすが名探偵。1部の人しか見せたことがないアルバムなのにさすがです。と言えばまぁね!!と微笑んだ。
江戸川 乱歩
しっかし厄介だな……
与謝野 晶子
厄介って……何がだい?
江戸川 乱歩
いや、こっちの話……
本当にやるの?太宰
太宰 治
えぇ。やりますよ。
護るために……
江戸川 乱歩
そう。
なら僕は停めない。
なんて、太宰さんと乱歩さんの話に晶ちゃんと首を傾げた……


まさか、数日後にあんなことが起きるとは知らずに……

プリ小説オーディオドラマ