ローがファミリーに来て大分たった頃、その日もロー、ベビー5、バッファローの3人はアジト近くの森で遊んでいた。
ベビー5が何か思いついたように、ある人物の名前を出した。
それは、単独行動が多くファミリーの中でも1番謎が深い人物の名前だった。
その時、いきなりコラソンが現れ、ローを掴みどこかへ連れて行った。
いつの間にか人気のないところまで来ると、不意にコラソンが立ち止まった。
聞いた事のない声にローは目を丸くする。ここにはローとコラソンの2人しかいない。つまりこの声は...
逃げ出したローを捕まえようとしたコラソンはすっ転んでゴミ箱にダイブ。その拍子にタバコの火が引火した。
目の前には頭からゴミ箱にダイブしているコラソン。
何をどうしたらそうなるんだ。
助けるっつってもな...引っ張り出すにも約3mの男の体重を考えるとちょっとやそっとじゃ無理だろうな。ならば、と俺はテコの原理を利用しゴミ箱を倒した。
一瞬の静寂
俺の見聞色がコラソンの心の叫びを捉えた
だ め だ こ い つ
俺のその言葉にコラソン...ロシナンテの目付きが変わった。
本当に周りの音が遮断されるんだな。やはり潜入や暗殺に使える能力だな。
現代に比べ、この世界の情報保護のセキュリティはガバガバ。簡単に突破することができた。
ロシナンテの鮮血のような真っ赤な瞳が俺を射抜いた。
ここまで言ってんのにまだ警戒を解こうとしないロシナンテ。いい加減めんどくせェな。
すると、いつから居たのか、角からひょっこりと出てきたローが意地の悪い顔をして言う。
そんなローをじっと見つめるコラソンは何かを考えているようだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!