ある日のドレスローザ
部屋で新聞に目を通していると、1つ気になる記事を見つけた。
新聞を読む俺の体を揺さぶりながら何か喚いているベビー5。
文句はドフラミンゴに言ってこい。
まあ、大方ドレスローザの国王に近づこうと企んだ奴か、ベビー5のお願いされると断れないチョロい性格と見た目だけはいいから都合のいい女として扱う奴だったんだろ。
アイツもよくやるよな。そんなにファミリーが大事かね
この会話ももう何回目か。ベビーの惚れっぽさと男運の悪さはいい組み合わせだな。もちろん悪い意味で。
深くため息を吐くとまるで見計らったかのようにフフフっと穏やかな笑い声が聞こえてきた。
俺の皮肉をスルーし、横から新聞を覗き込んで来たモネ。
そう言ってもう読み終えた新聞を畳んでモネに差し出す。それを受け取り、新聞にざっと目を通したモネは少し驚いたような声を上げた。
気にするなと1つ言い残し、部屋を出た。
無駄に広く静かな廊下には俺の足音だけが響く。
麦わらのルフィ...何か、アイツと同じモノを感じる。オールマイトの個性"ワンフォーオール"を継承し、満足に扱うことすら出来なかったくせして俺の捕まる要因になった男。
そう、まるで"主人公"のような
数ヶ月後
クロコダイルが七武海を追放になり、インペルタウンに収監された。
理由は以下の通り。クロコダイルはアラバスタの乗っ取りを計画していたのだ。まあ、あと一歩というところで邪魔が入り、結局失敗に終わったそうだが。
さらに、今回の件で世間は混乱を極め、王下七武海制度に関して議論が行われてるらしい。
まあ、正直それはどうでもいい。今回のクロコダイルの件、これにはあの"麦わら"が関わってるらしい。
どうやら、本当にまぐれじゃなさそうだ。
それからも麦わらは世界政府に宣戦布告したり、同じ王下七武海のゲッコー・モリアを倒したり、とまぁいろいろ暴れ回っているらしい。
このままのスピードで行くと近いうちにドレスローザに来そうだな。
そんときは、何もなきゃいいんだが。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。