【白ひげ海賊団二番隊隊長、火拳のエースの公開処刑!!】
新聞の見出しにはデカデカとそう書かれていた。
いくら天下の白ひげ海賊団の隊長格だとしても公開処刑はやり過ぎだろう。となれば海軍側には何か別の思惑があるはずだ。そもそもこんな事をすれば白ひげ海賊団との全面戦争は避けられない。
一体何を企んでやがる。そう欺瞞を抱きながら俺はドフラミンゴの付き添いとして七武海の緊急招集に向かった。
そして緊急会議という名の作戦会議中、俺は特にすることも無いので海軍本部近くの街をフラフラしていた。住民達は既に避難を終えたのか、見回りをしている海兵チラホラ見かけるだけでもぬけの殻になった街に潮風が吹き抜ける。
と、背後から自分のモノではない足音が聞こえた。
背後から聞こえた声に挨拶をしてやると、男は更に眉間にシワを寄せ眼光を鋭くさせた。
飄々とした様子でそう言い放ち、不敵な笑みを浮かべる。
お互いに睨み合い、緊迫した状況に周囲の海兵達は指1本動かせなくなっていた。
しかし、そんな空気を破ったのは1人の女だった。
スモーカーを探していたのだろう、たしぎと呼ばれた女が息を上げながらこちらへ走ってきていた。
スモーカーと対峙している俺に気づいた女はこちらへ向けて刀を構えた。
七武海制度は王下七武海に所属している奴の部下にも適応される。つまり、仮にもドフラミンゴの部下である俺に、海兵は上から指示でもない限り攻撃をすることはできないのだ。
ヒラリと軽く手を振り、海軍本部の方向へ踵を返す。その背中をスモーカーとたしぎはしばらく見つめていた。
さァ、戦争の始まりだ!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!