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第1話

#1
233
2024/05/21 12:07
あなた
ふぅ...今日も疲れたなぁ
周りはとっくに暗くなっていた。

玄関のドアを開け、体をソファに預ける。

今日もバイト尽くしで、体はとっくに限界を迎えていた。

バックの中から封筒を出して、今月分の給料を数える。

1,2,3,4...50万円ぐらいかな。
あなた
よし、これで半年は持つ...
やっぱり、バイトの掛け持ちって大変だけどいいな。

いっぱい働けば働くほど、お金がたまる。
あなた
あ、そうだ。母さんのパジャマ変えないと。
あなた
母さん?起きてる?
なるべく音をたてないようにドアを開ける。
母さん
あなた...起きてるよ
扉を開けた先に目に飛び込んできたのは、母さんがパジャマを着て、ベットに横たわっている姿。

ペットボトルにたくさん入っているはずの水が、減っていた。
あなた
よかった、パジャマ変えるね。
お母さんのパジャマを変えるために布団をはがす。
母さん
ごめんねぇ...あなた。
本当はあなたにこういうことはなるべくしたくなかったんだけどね...
母さん
母さんが働けなくてあなたにも稼がせちゃって...
母さんのことなんて気にしないで、
本当に自分の好きなことに使ってもいいのよ?
申し訳なさそな目でこちらをのぞき込むように話す母に、少しあきれていた。
あなた
...しょうがないよ、母さんのせいではないし。
しかも今の給料で結構食っていけるよ。
私が好きなことにお金使ってほしいのなら、早く治すこと!
母さん
あなたの年頃ならいっぱい遊びたいだろうに...
本当に母さんのせいでごめんね...
あなた
だーかーらー。
そのすぐ謝る癖やめなってㅎㅎ
母さん
でも...
母さんはすぐ謝る癖がある。
母はいつも弱気なのか、いつも下手したでに出てしまう。
あなた
はい、着替え終わり!
話も終わり!
なんか足りないものある?
母さん
...なんにもないよ。
本当にあなたは強い子に育ったわね...
あなた
...でしょう?
私はその言葉を聞いて、母さんの部屋を後にした。
あなた
...
"強い子に育った"...って言ってたけど、本当は全然違うよ母さん。

私は強い子なんかじゃない。

バイトに落ちてばかりで、最近は精神の状態は不安定。

でも、バイトももっと掛け持ちしないと、生活が厳しい...
あなた
はぁ、これからどうしよう...
自分の情けなさに、イラ気が差すのと、疲れが体を取り巻くような感触がした。

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