第4話

あけましておめでとう
54
2023/12/31 15:00
とある本丸でのこと
山姥切国広はソワソワしていた。
傍から見てもわかるぐらいソワソワしていた。
正座をしていても身体が左右上下に揺れ動くぐらいにソワソワしていた。
「……切国。」
「な、なんだ主!?」
見かねた審神者が声を掛けると、びくりと跳ね、上擦った声で返事をした。
「その…さっきからソワソワしてるけど、どうした?」
「その、だな…………すまない、いつ言い出そうか考えていたんだが、今年は年越しを共に過ごさなくても良いだろうか。」
「……それは、なぜ?」
例年ならば、仲間と共に酒を飲み、蕎麦を食べ、初詣代わりに石切丸にハラキヨをしてもらっていたというのに。
「本霊が、寂しいと。俺達が年越しに何をするのかと楽しそうに聞いた後、ぽつりと呟いたんだ。」
「山姥切国広の本霊様が?」
「ああ。だから、その…分霊コミュニティーで相談したんだ。今年は、本霊と共に年を越さないか。と。」
勿論主の許可を貰えたやつだけという話だったがな!?
と急に慌て、弁解するように言葉を並べていく切国に、今年ぐらいならばいいか。と思ってしまう。だって…
「…仕方がないな。皆には僕から伝えておくよ。」
「…!! 感謝する。ありがとう、主。」






___滅多に笑わない切国が、笑ったのだから。



神域
「「「「「「サプライズだ!!!」」」」」」
何故ここに、との問いにサプライズと答える分霊達。
自分たちの本丸はどうした。主は、仲間は。
「今年だけ、ということで許してもらった。」
「俺は途中で顔を出すなら来年も行っていいよと言われた。ので年が開ける少し前に一旦戻る。」
「一年ずつな!と主に言われたから今年はあんたと過ごすぞ。」
騒ぐ分霊達。俺が生み出した一振目…本霊代理が代表として前に出てくる。
「本霊、こいつらは聞いたんだ。あんたが零した寂しいという言葉を。」
「そうか…聞こえてしまったか。」
「だから、あんたが寂しくないように沢山考えてサプライズしよう、と考えたんだ。」
__ほら、嬉しいだろ?
嗚呼、本当にこいつらは……!!
「嬉しいに決まっているだろう…!」
途端、再び盛り上がるあいつらに、思わず笑みがこぼれる。
「本霊、あんた気付いてるか! あんたから、誉桜が舞ってるぞ!」
「そういうお前らだって舞ってるだろう!」
年越しを、こんな大勢でするのは何年ぶりだろうか。
嬉しい、楽しいといった感情が溢れ出て止まらない。分霊達が俺の出した桜に呑まれていくのを見ながら、酒と料理の用意をした。

























「もうすぐだぞ、本霊。」










「カウントダウンをしよう!みんなで!」



















「「「10!」」」








「「「「「9!」」」」」









「「「「「8!」」」」」












「「「「「7!」」」」」











「「「「「6!」」」」」










「「「「「5!!」」」」」










「「「「「4!!」」」」」










「「「「「3!!」」」」」










「「「「「2!!」」」」」










『1!!!』












『ハッピーニューイヤー!』










「「「「「あけましておめでとう!本霊、今年もよろしく頼む!」」」」」


「…ああ、よろしく。」




心の底から、お前たちを愛おしいと思っている。
あけおめー!
今年は創作意欲がどんどん湧き出て妄想もどんどんできる一年になって欲しい。
これからも成り代わりくにぴろくん達をよろしくお願いします!!!!!!!!!

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