どうして昨日は“死にたくない”と思ったのだろうか
いつも…あんなにも“死にたい”って、思ってたのに
ガチャ
あれっ…?今日は誰もいない………
じゃあ……死ねる…の?
そう思ったのも束の間、すぐに扉が開く音が聞こえた
ボクは急いで振り向く
すると、そこには虚ろな目をしながら、ふらふらと歩く黄色の髪の毛の男子生徒がいた
そして、ボクのことなんて見向きもせずに横を通り過ぎ、フェンスの方に向かって歩いていく
そして靴も脱がずにそのまま………
彼はボクの方を振り向いたかと思えば、すぐに前を向いた
そんな彼に、ボクは気になったことを問う
……が、彼は何も答えずにもう一度こちらを振り向き、ボクのことを睨んできた
彼……司はかなりの無表情&睨み顔でボクと会話している
…無表情なのか睨んでるのかどっちかにしてほしいんだけど
まぁいいや、とりあえず、今日も自殺を止めなきゃ……
なんで…ボク、他人の自殺を止めてるんだっけ
親友でも、友達でも、仲間でも、家族でもない、他人を
確か……先を越されるのが癪だった…からだっけ…?
でも今は別に…癪に障ってなんていない
じゃあ…なんで『ねぇ、やめなよ』なんて言った?
そうやって考えているうちに、司はフェンスの方に向かって歩いている
っ…理由はわからないけど…とりあえず止めなきゃ…
止めなきゃ!と思って咄嗟に出た言葉だった
なんで夢なんか今更聞いたのだろう
どうせ………もってたって叶わないのに
だが、司はボクの考えとは真逆な回答をした
そう話している司の目は幼い子供のようにキラキラと輝いていた
だが、次に司が自ら発した言葉でその目の輝きは消えた
司は最後そう言うと、こちらを見ずにフェンスの方に向かっていった
諦めた……?
夢があるのに…?見捨てられたくらいで……
………ふざけんなよっ
ボクが全力で司に言葉を投げかけると、司は飛び降りるのをやめてくれた
司はそう言うと、走ってここから消えた
急いで閉じたせいで、扉が開きっぱなしだ
……夢……かぁ……
そんなもの…とっくの等に捨てたよ
けれど……強いて言うなら………
っ…!!今日はもういいや、帰ろう
そう思い、ボクは屋上の扉を完全に閉ざした















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!