第78話

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2023/06/01 01:29
Ryo_
涼「……」

大輝「……」



大輝くんと2人。

ただひたすら無言の時間。

昼休みに突然大輝くんが来て、なんだろうと思ってたら瑞稀にベッドエリアに入れられた。

何が何だかわからない。



大輝「あ、あの…」

涼「…?」

大輝「ごめん」

涼「ごめん?なんで?」

大輝「この前帰ったの、俺のせいかなって…」

涼「あー…笑」

大輝「だから、ごめん」



そう言って俺に頭を下げてきた大輝くん。

そんな姿にちょっと笑いが出てしまった。



涼「そんな深刻な顔で謝らないでよ…笑 笑ちゃったじゃん笑」

大輝「…一応、真剣なんだけど…」

涼「ごめん笑 大丈夫だよ。全然大輝くんのせいじゃない。俺が弱かっただけだから」

大輝「でも…」

涼「謝られるのは、苦手なんだ笑」

大輝「……」

涼「だからもう謝らないで」

大輝「…ありがとう」

涼「うん」



俺がそう頷くと大輝くんはホッとしたように少し笑った。

なんだ。

大輝くんっていい人じゃん。

俺大輝くんのこと誤解してた。

瑞稀のこと泣かせたことに腹が立って敵視してた。

嫌な人だって思ってた。

でも実際はそうじゃない。

何も悪くないのに責任持ってくれて謝ってくれた。

蒼弥のことだって助けてた。

全然俺が思ってた人じゃないじゃん。



涼「大輝くん」

大輝「…?」

涼「これからも仲良くしてくれる?」

大輝「…涼くんが、いいなら」

涼「やった!ありがとね!」

大輝「いや…こちらこそありがとう」

涼「あと。瑞稀のこともよろしくね」

大輝「…うん」



そういって少し顔を曇らせた大輝くん。

あぁ…やっぱり瑞稀のことは苦手なのかな…。

最近行きも帰りも一緒にいるし、瑞稀も楽しそうだし安心してたんだけどな…。

2人がお互いを分り合うのにはもう少し時間がかかりそうだな。

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