紫 Side
朝の回診が終わり 、 仕事のデスクの前で考え事をしていたところなつが笑いながら声をかけてきた 。
だって 、
そう声を出す 。
なつはそう言って笑った 。
困ったような 、 呆れているような 。 そんな顔をして事務室の外を眺めた 。
事務室のドアの先にあるナースステーション 。 そこの近くにはあいつら4人の病室がある 。
朝 、 病室を尋ねた時から様子はおかしかった 。
何かを急いで隠したような形跡があったり 、 回診はすごいスピードで終わらせようとしてきたり 。
何かを隠している 。
そんな感じだった 。
基本的に俺の担当するらんとみことは嘘が下手くそだからよく分かる 。
すちとこさめは割と真顔で嘘をつくからなつがよく頭を悩ましているのをよく見ていた 。
まあ 、 4人で嘘を着くとなると絶対にらんみこが足を引っ張るからな 。
直ぐにバレるわ 笑
桃side
みこととこさめの会話を横目に俺はまた書いている途中の手紙に目を落とす 。
実は 、 みことが先生にいつものお礼をしようと引き出しからいっぱい便箋やら何やらを出してくれたのだ 。
書き始めて直ぐに先生が回診に来た時は焦ったが 、 きっと怪しまれてはない 。( バレている )
いるまとなつに書く手紙 。 便箋には何度も消したあとがあった 。
伝えたいことが多すぎてまとまらない 。
これが手紙を書き始めて最初に当たった難関であった 。
すちは優しく笑う 。
俺はその笑顔になんども救われているのだとまた 、 実感した 。
数時間経てば 、 言葉もまとまった 。
それと同時にみんなも渡す準備は整ったみたいだ 。
ただ1つ 。 問題は _____
ちょっとだけ雑いかもしれないけれどまあいいだろう 。
喜んでくれるだろうか … 。
少しだけ心配 。
だけど 、 みんなの笑顔を見ていると大丈夫だって思えるのだ 。
赤side
夜の見回りの時間 。
朝の回診の様子からして 、 体調が悪いとかだったら心配だったが
特にナースコールとかはなく 、 看護師さんも「 お昼もいつも通りでした !」
と教えてくれたからまあ大丈夫だと思う 。
仕事部屋から出ているまと並んで歩く 。
この時間が少し落ち着けて 、 どこか嬉しくて 、 好きな時間だ 。
ノックしつつ 、そう声をかける 。
「 は 〜 い ! 」とこさめの嬉しそうな声がしたからすかさずにドアを開けた 。
こさめとみことがいっせいに飛び込んでくる 。
あぶねえと思いつつ 、 優しく頭を撫でてやった 。
いるまに思わず突っ込んでしまったが 、 たしかに様子がいつもと違う 。
なんかにやにやしてるんだが … いやこええよ
すちの呼び掛けで 、 俺らはおずおずと中に入る 。
言われるがままにお見舞用のイスに腰を降ろさせられた 。
らんの掛け声でみんながいっせいに口を開いた
「 いつもありがとう 」
みことは人懐っこいその笑顔で 。
こさめはいつものとびきり明るい笑顔で 。
すちは 、 優しくお月様のような笑顔で 。
らんは嬉しそうに微笑んで 。
そんな 、 嬉しいことを言ってくれたのだ 。
こさめを筆頭にそれぞれが絵や折り紙やお手紙を渡してくれる 。
思わず俺は 、 すちとこさめを 。
いるまはらんとみことを抱きしめた 。
抱きしめた肩越しにらんがくれた手紙が見える 。
「 大好きです 」
その文字が何かで滲んで見えた 。
そう 、 本気で思えた 。
第1章完結
交換宣伝
七瀬さんの小説です !
このお話はとにかく感情移入してしまう話で 、 展開が気になってどんどん読み進めて言っちゃうお話でした✨️
後 、 小説とは関係ないけど七瀬さん自身ものすごく良い方だった … 。 ありがとうございます … 😭
私 、 のりおさんの小説は全部読んでいるんですけど 、 この小説は本当にいちばんすきです !
描写が丁寧で 、 読んでいてここちよいテンポ感なんですよね … 😭完結おめでとうございます✨️













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。