第2話

陽炎は揺れている。
1,081
2018/03/16 14:06
じんたんが居なくなって、初めての夏を迎えた。
今は8月、もうそろそろお盆がやってくる。

俺は相変わらず動画投稿を続けている。
もちろん、スカイピースでだ。

皆にはしっかりと生放送で伝えた。
じんたんとの別れ、これからの事…
ファンの皆からは沢山のコメントが返ってきた。
皆がじんたんの事を愛していた。
皆がじんたんとの別れを惜しんでいた。

なぁ、じんたん
君はすげぇ幸せ者だよ。
テオ
さて、とお盆の準備しないとな
俺は同じ体制で凝ってしまった肩をグルグルと回しながら立ち上がる。

太陽の光が反射して俺のピアスはキラッと輝く。

じんたんが強く握っていた俺へのプレゼント。
中身を確認するとピアスだった。

これをじんたんの形見として付けている。
テオ
じんたん…帰ってこないかなぁ
お盆は明日からだ。
それまでに色々と準備しないといけない。
テオ
なんてね、もう、帰ってこないってわかってんだけどな
俺は眩しく光る太陽を見つめながら1粒の涙を流した。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
テオ
じんたん、久しぶり
今俺がいるのはじんたんのお墓の前。
最近は忙しくて1ヶ月近く来れていなかったのだ。
花を取り替えながらじんたんに話しかける。
テオ
なぁ、じんたん。あともう少しでスカイピース200万人到達するからさ、
また一緒にお祝いしような。それからじんたんから貰ったピアス、ずっと付けてるよ。じんたんにしては結構いい感じの選んでくれたじゃんwありがとね。
テオ
そういや、みやも近々来てくれると思うよ。久々にてみじが揃うね!
楽しみだな…
テオ
ていうかさ、じんたん。
俺が人1倍寂しがり屋なの知ってるでしょ?なんでおいってっちゃうんだよー。
毎日寂しくて仕方がないよ!
テオ
でも、大丈夫。
じんたんがいない分、俺頑張るからさ。
空の上でピースして見ててよね!
一通り掃除が終わって最後に線香とお供え物をあげてさよならをする。
テオ
じゃあ、またなじんたん。
…大好きだよ
零れそうになる涙を必死に抑えて笑顔を作る。
よし、大丈夫。笑えてる。
俺がその場を立ち去ろうとしたその時だった。
人の気配がしてじんたんの墓の方へ振り向く。

いや、誰もいない。
テオ
あ、はは…
誰もいるわけないよなー
独り言のように呟いて今度こそ歩き出す。
????
…て、待って!テオくん!!!
確かに俺を呼び止める声が聞こえた。
俺は足を止め、もう1度振り返る。


すると、そこにいたのは…
テオ
え…じん、た、ん?
あの日、用事で出かけた時のパーカーを着て、黒い伊達メガネをかけている…


じんたんが立っていた。
……To be continued

プリ小説オーディオドラマ