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極極普通の日だった。
専門高校2年の夏休み前日。学校が終わった放課後に、夏休みの遊ぶ予定を取り付けた後帰路に経つ。何故今日遊ばないか、その理由は
『転スラの最終巻もうそろそろ読み終わる!』
転スラ、通称”転生したらスライムだった件”。そこら辺にありそうななろう小説である。刺殺されて転生した主人公が仲間と一緒に強くなっていく…テンプレ的な内容。
私は特段小説が好きとかいう趣味は無いが、何故好きになったのだろうか…それは私にも分からない。
世界観とかキャラの見た目とかが無意識的に合っていたのか……まぁいい、とにかくこの小説が好きだ。
主人公のスライムボデーを何度味わいたいと思ったことか…!!
心の中でくぅ〜っ!と噛み締める。
『……あの世界に行ってみたい…』
ポツリと漏れた声。その声に応答する者はいない。
溶けるように消えていき、残った静寂が孤独感を浮き彫りにさせる。
まぁ、そんなこと叶わないんだけどね!別に寂しくなんて思っていない。転生したらスライムだった件は空想上のオハナシで、存在しないのだ。2次元に本気で行けると思っている方が怖いだろ。
帰ったら何しよう。ご飯食べて、転スラ見ながらゴロゴロして、それで…
これから始まる夏休みに心を踊らせる。…あ、丁度家に着いた。
マンションの階段を駆け上がり自分家の扉の前に立つ。
高校入学につれ親元を離れ上京した。最初はなれない事だらけだったけどもう2年半も経ってんだ、しっかり順応している。鍵を刺して回す。ガチャ、
閉まっていたドアを開けた。
『たっだいまー!!』
特に誰もいないが癖だ、あるあるの範疇だろう。勢いよく室内に飛び込む。疲れもあった体に開放感が解き放たれる。
あ〜疲れた!飛び込んだ時と同時に瞑っていた目を開く。えへへ、ちょっとアニメに染まりすぎたかな、
パチっと目を開けた先にあったのは愛しき我が家の玄関、ではなく────?
『…へ』
『ぅぎゃーーー!!!!』
足から全身にかけてとてつもない浮遊感に襲われる。
────そう。私は今落ちている。
何で?どうして?疑問が次々に湧いてくるがそんな気持ちを簡単に凌駕するほどの恐怖。
(死ぬ…!!)
死にたくない、何て思っても体は重力に従うのみ。今ここから導き出される解決策は...…ない!!!!
(どうしようどうしよう私死ぬ!?何で落下してんの!?ていうかここどこ!?玄関に足を踏み入れたと思ったら変なとこに飛ばされて死ぬ何て理不尽すぎるよ人生!!)
『ふぎゃーーっ!?』
可愛くない悲鳴だと思いつつもそんなの気にしてる余裕は無い。次第に彼女の身体は近くに生えていた謎の大木に巻き込まれ、絡まっていく。
枝が体をぢくぢくと刺激し激痛が走る────と思っていたが…
『いだッ!?……く、無い!?』
痛くない。そうこうしていた内に身体は大木のお陰で何とか死は紛れたものの、未だ疑問が多すぎる。
ここはどこ?夢?何で落ちてきた?家は?…考えるだけでは答えに辿り着かない。ならばとる選択とは────?
『探索だーー!!』
え?楽しそう?そりゃそうでしょ!探索なんてゲームぐらいの話じゃん!
先まで恐怖1色だった姿が感じられないほどの好奇心。それは彼女の元の性格ありきである。
モンスターとか出たら怖いけど…張り切っていくぞー!!おー!!
ステータス
名前: ???(元名:あなた)
種族: ???
加護: なし
称号: なし
魔法: ???
所有スキル: ???
耐性: ???
次回主要キャラ登場させます。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。