探索を初めて数時間。それなりに分かった事がある。
ここが地球ではないこと、ここは何か特別な森だということ、夢ではなく現実だということ、ここは異世界だということ。
そして……
『モンスターがいること…!!』
何故小声なのか────丁度私は木の影にいて気付かれていないが、目の前にはモンスター。
一回倒せるかどうか試してみたが…
〜回想〜
『炎!!』
・・・
「グャーーオ!!!」
『なんでやねーん!!』
…ただ自分がモンスターの前で変なこと喋ったバカみたいになりました。
異世界に来たなら何か凄い能力を持ってるとか思ってたよ!!
何とかバレないよう息を殺して探索する。幸いここの森は入り組んでいる。敵の死角を取って移動すれば大丈夫。モンスターにバレないよう監視しながら足を動かす。よし、今だ!!
ガサ。
『…あ』
モンスターに視線が集中しすぎて気緩みしていた。足元を見るとまんまと木のツタを踏んでしまっていた。
急いで視線を戻すと目が合う。キュン…って、なんねーよ!!こうなったら…
『逃げるのみ!!!』
「ギュゥアーー!!」
『着いてくんなー!!!!』
✧ ✧ ✧ ✧
『…っはぁ…はぁ…』
撒いた…のか…?
息が上がり過呼吸になる体を落ち着かせながら周囲を見る。四方八方見渡してもそれらしきモンスターは見つからない。
『うおおおお!!撒けッケッホッ』
勢いのあまり叫んでむせてしまった。深呼吸…深呼吸…
無我夢中で走ったせいでここが何処か検討もつかなくなってしまった。状況を把握するため、前を見た途端、息を飲んだ。
大きな樹木や光る粒子が漂う、森の奥の聖域のような空間
光が柔らかく差し込み、緑と光のコントラストが強いファンタジー風の森のよう。
それはまるで「深い森の中にぽっかり開いた、光に満ちた静かな聖域」。
『わー…きれー……』
まるで心の底から掬われるような感覚。
気づいた時には自分は扉の前に立っていた。彼女は無言のまま、扉にてをかけ、開く。
目には入った景色は外の様な自然な明るさは無く、逆に暗く、荘厳な雰囲気を醸し出していた。
壁には謎の紋様が入っており、いかにも迷宮らしい内装となっていた。
(クスクス、)
ぉわっ!?急に話しかけられた…いやこれは話しているに含むのか…?まぁいい、話しかけられたことにしよう。
そのせいで思わず飛び跳ねる。
直接脳内に語られるような感覚に身震いする。
『なんだこれ…ゾワゾワして気持ちわるっ』
(気持ち悪いとは何よ!?)
『えっ?』
さっきからクスクス笑ってきたかと思ったら急に人間味らしい反応に声が出る。
どうやら私が思っていた以上にこの人(?)は接しやすそうだ。
かすかに出来た希望に安堵する。
(あっ!?……さあ試練をクリアしてみなさい…!)
『いや今更誤魔化しても無駄だよ』
(…してみなさい!)
ゴリ押してる…。呆れつつもとある一言に違和感を持つ。
「試練」?私は何を試されているのか?何「ここに迫り来る敵を全て倒して見せよ」とか言われたら即退場しますよ私。
疑問を投げかけようとした時、新しい景色が見えた。広間?
『…あの…試練って』
(ここまで辿り着くとは…)
『あの』
(よかろう。汝に試練を与えよう。)
ダメだこりゃーー!!話聞いてくれねーー!!!
試練って何!?!?モンスター!?座学!?…いや座学は無いか。
……
出されちゃったよモンスターー!!しかもめっちゃ強そうだよ!?助けてくれよ炭○郎ーー!!()
そんなこと言っても炭○郎が助けてくれる訳でもなく、
『ぎゃーー!?』
悲鳴を上げながら必死で逃げ続けている。…あれ意外と避けれるじゃん。
そっから20分近くこのモンスターから逃げていた。
✧ ✧ ✧ ✧
(ちょっとは反撃とかしなさいよ!)
『いやいや無理だって!?ていうか何処ですかここ!?』
あまりにもちょこまか逃げる私に謎の声さん(命名:私)が話しかける。
理不尽だ。この異世界は理不尽なんだ。私に対して殺意マシマシ過ぎないか?
(…ちょっと待って、精霊の加護を貰いにきた訳じゃないってコト!?)
『そもそも精霊って何ですッかぁ!?』
話に意識をかけるとすぐさま殺されかける。
オタクのペットちゃん()何とかしなさいよ!?
(ストップ!ゴーレムちゃんストップよ!!)
そう呼び掛けたとたん、モンスターの動きがピタッと止んだ。
こいつゴーレムだったんだ。確かにそれっぽいかも
取り敢えずの休息に息をつく。
ステータス
名前: ???(元名:あなた)
種族: ???
加護: なし
称号: なし
魔法: ???
所有スキル: ???
耐性: ???
長すぎたので一旦区切ります。
これは主要キャラ登場したに入るのか?











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!