最悪なファーストコンタクトが過ぎ、
声出しの基礎練習を再開した。
食いつくようにノートを見る。
下手といったあの子を見返してやりたい。
ドラム缶からひょっこりと顔を出した。
見た感じこの人も自分と同い年くらいだと思う。
ジトっとつり目が睨んでくる。
しかし怒りは含まれず、ただ不満気な感じであった。
男の子の後ろからまた誰か現れた。
手前の子より数cm高く、黒髪のモテそうな男の子。
目が合うと微笑んでくれた。
しかし目線はすぐ外され、手前の男の子に向けられる。
変な人っぽいがいい人そうだ。
あまり男の子と話したことないから、
接し方がぎこちなくなりそう…。
やはり年は近かった。
それだけで安心感がある。
イヴァンがティルの背中から体全体を出す。
彼の手にはたくさんのプレゼントがあった。
にこにこと優しい眼差しを向けられる。
しかし、どこか見定められてるのを感じる。
指さす先には、楽しそうに遊んでる子ども達の姿。
あそこに入るにはまだ勇気がない。
目がキラキラと輝いてる。
私の返事も聞かずに、
その子を探しに行ってしまった。
まさかの2人きりにされた。
イヴァン、、?だっけ。
ちょっと胡散臭くて少し苦手意識あるんだけど。
そう言ってティルの背中に釘付けになっている。
その時に察した。
この人ティルを目当てに、 私に近づいてきたのでは。
なにかと視線は彼に向けられ、私に興味を持ってる素振りがない。
そう思うと腹立だしくなってくる。
横目でこちらを見ている。
それほど感情が表に出るわけではない。
彼の口角が微かに上がった。
微かに目つきが変わった。
私に対して1ミリだけ興味が生まれたような。
ここは厄介な人しかいないかも。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。