翌日学校へ行くと、少弐君は私と距離を置き始めた。
親に何か言われたのだろう。
私は彼に小さな声で言った。
「私は…君を絶対に守るよ。」
去り際に言った私の一言で、目を合わせようとしなかった彼は一瞬、私の方を向いた。
背を向けていても分かった。
だからこそ、私は堂々と歩けた。
その日の放課後。
いつもは彼と2人で相談教室をする為に使用していた教室は静まり返り私は1人寂しく窓の外を眺めていた。
未来への不安からか、それとも吹っ切れているのかはわからないが、やけに脳みそは空っぽだった。
快晴の空は心地よく、いくら見ていたって飽きない。
私は空に向かって微笑んだ。
すると、教室の扉が鳴る。
扉が開く前に私は尋ね人が誰だかわかった。
いつも、今より少し早い時間にこの教室に尋ねてくる人物だ。
扉が開くと見覚えのある顔と目が合う。
「…来たわね。少弐君。」
「あっ…えーと…」
狼狽える少弐君。
無理もない。
私は少弐君の後ろに目のピントを合わせる。
「無理矢理少弐君を連れ出してくれてありがとう。」
「いえいえ…ご依頼ありがとうございます。しおりんさん。」
「その呼び名…辞めて貰えない?私と貴方初対面よ?一応。」
「こっちも上司命令で来たとは言え、仕事はなるべく楽しくやりたいので。」
「あっそ…」
あの友人の仕事仲間だから期待はしていなかったが予想通り少し普通とは離れていそうだ。
「とにかく…少弐君。君を連れ出したのは…」
「母からの怒涛のLINE攻撃を食らったからですか?」
「えと、そうではなくて…君この前、私が君の姉なのではないかって言ってたよね?」
彼はキョトンとして「はい。」と応える。
何を言われるのか全くおもいつかないようだ。
「私、少し気になることがあって、君の両親について調べたのよ。探偵を雇って。」
私は息を吸ってから続きを話す。
「そして、私が君の実姉であることがわかったわ。」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。