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第10話

番外編
179
2023/04/09 13:18 更新
第5話「手加減なし」のその後…
アルside
今日の鍛錬は俺の勝ち。これで4連勝だ。最初こそガールを殴るのには抵抗があったが、慣れた今は手加減なしでボコボコにしている。そんな毎日を過ごしていれば、時折こういうことも起こる。
アル
アル
あ、また傷になっちゃったね。ごめん。
そう。相手に傷を負わせてしまうことだ。
リズ
リズ
本当だ。まあもう慣れたけどね。
リズはそう言うが、いくら男勝りな彼女であってもガールに傷を負わせてそのままというのは流石に嫌だ。
アル
アル
いくらリズでもガールが傷だらけってのはよくないっしょ。こっちおいで。
俺はリズの傷を手当てすることにした。傷は両膝に2〜3箇所ずつある。消毒したら染みそうだな。
リズ
リズ
あんまり痛くしないでくれよ…?
少しビビっているのか、いつもより弱気な声でリズは言った。そういや、これ系は苦手だって言ってたな。
そして、彼女の脚を俺の膝の上に乗せ、消毒液を準備しながら話した。
アル
アル
リズは不思議なやつだな。鍛錬で俺が与えるダメージの方が強いはずなのに、こっちにビビるなんて。
リズ
リズ
それとこれとは痛みが違うんだよ…
アル
アル
はいはい。後でもう一回俺に踏まれてどっちが痛いか検証してみるか?
リズ
リズ
絶対やだね。
アル
アル
フフっ…痛くされたくなかったらちょっと大人しくしてな。
普段リズは誰に対しても強気でいるため、怖がる彼女を日常で見られるのは毎日鍛錬を共にする俺だけだ。要するに相方の特権ってやつだな。
手に取ったコットンに消毒液を染み込ませる。実を言うと、俺もこういうのをやられるのは苦手だ。俺がリズにやってもらう時、リズから見れば同じようになっているのかもしれない。
アル
アル
大丈夫。そんなに痛くしないから。
そう言って、俺はコットンを傷口に持っていく。傷に当たるとやはり痛いのか脚がビクッと震えた。
リズ
リズ
うぅ…痛い…
リズがか弱い声を上げる。普段のかっこよさからは想像できないほど可愛い顔で。凛々しいリズがこんなに可愛い顔をしていると、どうしても少し意地悪をしたくなる。
俺は痛みから逃れようと引っ込みかけたリズの足をガシッと掴んでやった。単純に動かれると処置がしにくいのと、ちょっとした悪戯心だ。
アル
アル
こっちでも逃さねぇよ?
するとリズは諦めたように力を抜く。可愛いやつめ。
一通り消毒を終えたら、掴んでいた脚を離してやる。強めに掴んでいたから少し指の跡がついていた。
アル
アル
これでよし、っと。お疲れ様。
リズ
リズ
ああ…ありがとな。結構痛かったけど。
アル
アル
ごめん。売店で何か奢るから許して。
リズ
リズ
しゃーないな〜
巷でリズアル交際疑惑が浮上するのはこういうことも理由の一つのなのだろうな。鍛錬の後に飲むドリンクは一味違う。最高の時間だ。
リズ
リズ
イカダッシュアップル、頼んでいいか?
アル
アル
ああ、もちろん。
リズの顔がパッと明るくなる。そして、出かける用の服に着替えて売店へ出向き、俺はチケットを2枚使って2人分のドリンクを買った。
リズ
リズ
サンキュ〜。
さっきまで怯え顔だった彼女が、めちゃくちゃ笑顔になっている。さっきより可愛いやんけ。
気付けば俺の手はリズの頭を撫でていた。
リズ
リズ
うおっ?!ビックリした…やるなら先に言ってくれよ。
アル
アル
ははっ。だってリズが可愛いからさ。
リズ
リズ
やめろって。……照れるだろ。
そう言って少し頬を赤らめるリズ。彼女は本当に表情豊かだ。それがまた可愛くて…。
これだから交際疑惑が浮上するんだろうな。

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