第4話

第3話
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2024/12/14 03:28 更新
《きりやん視点》
仕事の休憩時間になると、俺はとある子のところへ向かった。
きりやん
菫くん、今日の体調は大丈夫?
スマイル
はい、大丈夫ですよ(ニコッ)
...今日こそは菫くんに勝たないと...。
1ヶ月前...
医者1
咲月先生...!
きりやん
ん?どうしたんですか?
医者1
菫さんの担当になってくれませんか...?
きりやん
えっ?確か貴方が担当じゃなかったですか?
医者1
実は菫さんと話すと心の弱さを握られるみたいになってしまって...
きりやん
どういうことですか?
医者1
何と言うか、自分の辛かった事を菫さんに慰めてもらう立場になってしまうんです...
弱さを握られるみたい...なるほど、医者と患者の立場が逆になってしまうのか...。
きりやん
分かりました、俺が担当になります
医者1
ありがとうございます...!実は他の人が担当になってもそうなってたので...
きりやん
俺にたどり着くまでに何人担当したんですか?
医者1
聞いた話だと12人ぐらいだそうで...
12人!?えっ、菫さん俺見たこと無いから分かんないけど...相当危ないのか...。
きりやん
なるほど...とりあえず行ってきますね
菫さんの部屋に着くと、俺はノックをして入る。
きりやん
菫さん今時間大丈夫?
スマイル
?はい、大丈夫ですよ(ニコッ)
...偽りの笑顔...。
きりやん
今日から医者の担当が変わるんだけど、俺が担当になったから宜しくね
スマイル
そうなんですか?宜しくお願いします(ニコッ)
...本当に12人も担当を変わらせた人物とは思えない...少し話して見たらわかるか?
きりやん
...菫さん少しお話しない?
スマイル
全然良いですよ、お隣来ますか?
きりやん
じゃあ失礼しようかな
そういって、俺は菫さんの隣に座る。
きりやん
まず聞きたいんだけど、どうして入院したかったの?
スマイル
元々は此処に入院する予定なかったんです、俺は普通の病院に居ましたから
きりやん
普通の病院に居たって事は何処か具合が悪かったの?
スマイル
はい、生まれつき体が弱かったので入院してたんです
スマイル
でも病院のお医者様が体力作りをした方が良いと言って、此処に入院手続きをしたんです
きりやん
なるほど...目的とかは聞いてたの?
スマイル
はい、前の病院のお医者様は無理をしない程度に体力作りをして欲しいと
きりやん
じゃあ此処に入院してきたのは体力作りの為?
スマイル
そうですね、特に何かあった訳でもないです
きりやん
...そっか、ありがとう話してくれて
スマイル
いえいえ、全然気にしないでください
この子の話を聞いてる感じ...弱みを握られるようなのはなさそうだけど...。
スマイル
...先生はどうしてそんな暗い顔をしてるんですか?
きりやん
...えっ?
俺が...暗い顔をしてる...?
スマイル
...俺には人生に疲れてるように見えます
人生に...疲れてる...?
...確かに...そうかもしれない...。
スマイル
...(ギュッ)
きりやん
...え...?
スマイル
...俺には何があったのか分かりませんが、大人だからって溜め込まなくて良いんですよ(ニコッ)
きりやん
ッ...!
弱みを握られるみたい...確かにそうかもしれない...。
だって俺は今この子に"負けてる"のだから。
...辛いな...この子の温かさに触れていたいな...。
そう思う程この子の"罠"に嵌まって行く...。
スマイル
先生が辛い想いをしてるなら、俺はいくらでも温めます
スマイル
...先生は頑張りすぎなんですよ、もう少し休んでも良いと思いますよ
俺は言葉を返せなかった。
この子の言う通り、俺は休む事がほとんど無い。
だからこそ人生に疲れてたのかもしれない...。
でもこの子と居ると、隠していたものが見透かされる。
あぁ...確かにこの子の担当が変わる理由が分かるかもな...。
...でも、この子の本心を聞けてない。
だから...俺は本心を聞くまで一緒に居なくちゃ...。
スマイル
...先生、ゆっくり休んでください
あれ...何か...眠くなって...。
あぁ...そういえば...徹夜してたわ...。
スマイル
...お休みなさい、先生
その声と共に、俺の意識は落ちた。

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