廊下を歩いているときに気付く
どこからか聞こえてくる音
嫌な予感がして足を早めた
段々と大きく聞こえるその音
出処と思われる場所の扉を開ければ
椅子から落ちて床に倒れている白髪の友人が居た
酷く咳き込んでいて上手く呼吸しているとは全く言えない
言葉で表せないような嘆きを君は発している
精神崩壊といってもいいほどだ
全く反応はなく暴れている
そっと背中に触れると大きく体を震わせた
手なら大丈夫なのかな
こうして笑顔で他愛のない会話をする
でもそんな日常が俺たちにとっては大切だった
君の笑っている顔を見る
君の涼し気な横顔を見る
君のほんの少し微笑む顔を見る
些細なことだけど必要不可欠で
1人でも欠けると寂しさが場を取り巻く
だからこそこの4人が集まれたことは奇跡だと思ってる
互いのことを分かち合って
互いの弱さを認めて支え合って
手を差し伸べ合って未来へ進む
そんな関係がこれからも続くことを願って
俺は、今を生きている
苦しくても俺には仲間が居るから
迷子になっても仲間が見つけてくれるから
闇深い海に沈んでも仲間が引き上げてくれるから
だから、大丈夫
俺はもう、怖くないよ
なんていうことを最初は考えてた
現実から目を背けたくなるときもある
でもそれは俺には出来ないこと
その現実を目にしても進まなければならない
茨の生えた絶望の道を
変わらない結末に何度も絶句した
枯れた花々
解けてしまった糸
閉ざされた未来
終わらない鼬ごっこ
朽ちる希望にたった一筋の光を求めて
傷だらけになった足でまた走っていく
もう、これ以上君が苦しむのを見たくないから
1日でも早く君が救われるように
1日でも早く本当の君に出会えるように
俺が壊れないために
苦しみで満たされた心臓を抱えながら
もう鉛のように重い足を引きずりながら
必ずあるあの日の先に向かって
さぁ
終わらせよう
大丈夫
傷だらけになっても、見失わないから
だからずっと待ってて
俺が、必ず迎えに行くよ
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。