目を開けると、明るい天井が目に入る。
ぼーっと眺めていると、シャッとカーテンが開いた。
そこで初めて、ここが警察署だと認識した。
寝転んでいたところから飛び降り、外に出ようとカーテンをくぐる。
母さんは警官に礼を言い、俺の手をがっちり掴んで歩き出した。
半ば引きずられるようにしてしばらく歩いていると、母さんの家が見えてきた。
帰って……来ちゃった……
靴を脱がされ、リビングに入ると床に投げられる。
そう言って、母さんは俺の着てる上着に目をやる。
体を抱えるように自分を抱きしめる。
しかし。
抵抗も虚しく、上着を脱がされる。
そして、そのままゴミ箱に突っ込んだ。
必死に取りに行こうとするも、襟首を掴まれて動けない。
母さんはため息をついて、俺と視線を合わせる。
髪の毛を掴まれ無理矢理写真を撮られ、母さんはウキウキしながらスマホをいじっている。
途端、ピロンッ、ピロンッ、と立て続けに着信音がなる。
ああ……やっぱ、奏さんの家出るんじゃなかったな…
奏さんに、会いたい………













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。