もふくんは、本を読みながら適当な相槌を打つ。
私は頭を抱えてしまった。
小さな瓶と、ナイフを取り出す。
瓶には液体が入っており、紫でドロっとしている。
ナイフの方は、遠目から見ればごく普通のナイフだが、半透明の刀身に細かいところに管のような物が入っておる。
恐らく、毒を仕込むことができる特別なナイフなのだろう。
毒
…もふくんが使える唯一無二の能力。
普段は戦うことができない彼は、いつもサポート役として、敵を弱らせる毒を生み出していた。
…いや、もしかして…
この男のことだ。そんな事とっくに理解してるはず。
…他の人には頼めなくて、あなたさんにしかできないこと?
彼女は普通の高校生…特徴があるとすれば…
……首の後ろの痣?
痣についてはじゃぱぱさんから聞かされている。
ただ、どういう効力を持つのか不明だったはず。
新幹線に乗ったのは久しぶりだ。
たしか、最後に乗ったのは中三の修学旅行。
2年ぶりか。
…ただ、2年前と違うのは隣に黄色髪関西弁眼帯クソデカボイスの25歳がいること。
あなたの一人称(僕・私など)は心底呆れる。新幹線に乗るだけというのに何が楽しいのか理解ができない。
子供みたいにはしゃぎまわる彼をなだめ、
あなたの一人称(僕・私など)は後ろの席を見る。
後ろにはヒロとえとが座っていた。
えとは無言でスマホをいじる。
目が合い、舌打ちをされる。
…やっぱりこの人、あなたの一人称(僕・私など)にだけ当たり強くない?
…あなたの一人称(僕・私など)は何故かえとに嫌われている…
本当になんで???
お菓子を食べようと、鞄を取り出す。
1番目に着く所に置いてあるのは…
もふから貰った小瓶と、布に包まれたナイフ。
…そう言われて、あなたの一人称(僕・私など)は道具を受け取った。
心配を胸に、あなたの一人称(僕・私など)は新幹線に揺られていた。
現場は宇都宮駅から電車で30分の場所。
…1週間前にも、人が死んだみたい。
花が備えられていた。
あなたの一人称(僕・私など)よりも年下だ。そんな人が死んでしまう。
この人、心を読めるだけでもすごいのに幽霊と話せるのか!?
あなたの一人称(僕・私など)たちは階段をのぼる。
階段の手すりをなぞりながら、えとが呟く。
ドアノブを捻って確かめてみる。
屋上へと1歩足を踏み入れる。
あなたの一人称(僕・私など)に続いてえとも足を踏み入れる。
その時、異質な物が見えた。
真っ黒な人影?
180cm程の大きな人影
真っ黒で、肌や服らしきものは確認できない。
あなたの一人称(僕・私など)は振り向いて、問いかける。
え?
…先程までたっつんとヒロがいたところには
闇が広がっている。
暗闇に手を伸ばす。見えない壁があるかのように進めない。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。