綾視点
あの時に気付けばよかった…
まさか残ってるなんて思わなかったから…
そんな後悔ばかりが募っていく
みやが気付いた時にはもうかなり離れてしまっていた
仕方なくみやを私達の部屋に向かわせて異常がないか確認させている
戻るとちょうど理事長と鉢合わせになった
どうも今回の面談は教頭や一部の教師が行っていたらしい
ま、これで帰省組かホテル居残りか確実に分かるからね
それを知った理事長が慌てて来たそうだ
中に入ると学年主任と遥奈が言い合っている
その間で教頭が気絶している
学年主任の話しぶりから遥奈が殴ったんだろう
一撃で気絶させたのはすごいなw
さすがと言った方がいいのかな?
なんて思っているとどうも遥奈は何かをして教頭の口から証言を引き出したらしい…
しかも何かを理事長が察して遥奈に自分を大切にと言っていた
それだけで吐き気がした
いっそこいつに思い知らせようかとも思ってしまった
それに理事長が気付いてほどほどにとお小言まで貰ってしまった
そもそもこんな奴を野放ししている学校側の問題じゃないかな?
いつもならある程度耐えられるけど何をしたのか分かり次第あいつには地獄を見せてやろう…
私は部屋に戻ることを伝えると遥奈の腕をつかんで無言で私達の部屋に戻る事にした
分かってる
きっと遥奈は私が言われていたから何かしら追い詰めたかったんだと思う
でもこんな事を私は望んでない
当の遥奈は反省しているのかしょんぼりとついてきている
今声をかけたら遥奈を責めてしまいそうで私は無言のまま部屋に向かった
みやも心配してたのか遥奈の顔を見てほっとしていた
でも実際には何かがあったからか遥奈はみやから目線をそらした
私が聞くと遥奈は下を向いてもごもごしている
恐らくは言いたくないんだろう
でもこれは私の会社も関係している
と言うことは最低限私は聞く権利があるはずだ
じっと見つめるが遥奈は頑なに言おうとしなかった
相当嫌なのか私にすがるように懇願している
だったら…
そう言うと観念したのか携帯を出してくれた
…………
データは録音データだった
流して貰うと遥奈がわざと教頭に媚びて証言を引き出そうとしている
恐らく鼻を伸ばしていたんだろう
下卑た親父の声がして吐きそうになる
みやが居てよかったよ...
居なかったら何してたか分からないや
少なくともあの豚にはこっちからも制裁を与えるとして…
どうしたものかな?
ふとみやを見ても頭を抱えてしまっている
私は遥奈の目の前で腕組みをしたままだから怖かったのかどんどん声が小さくなっている
この程度でペラペラしゃべってくれたからよかったものの…
だから理事長が自分を大切にしろって言ってたのか…
確かに…
それはそうだな
じっと遥奈を見ると泣きそうな顔をしている
怒りたいけどきっと私の為なんだろう…
怒らなくてひたすらため息しか出なくなってしまった
私がそう言うと遥奈は今にも泣きそうな顔でしょんぼりしている
でも今なぁなぁにしてしまったらきっとまた同じことをすると思う
だからこそ私は心を鬼にしてでも言わないといけない
そう言うと遥奈は下を向いてポロポロと泣いてしまった
私ははぁと息をついた後そっと遥奈を抱き締めた
遥奈はビクッと振るえていたけどそのまま私の腕の中で泣いていた
そう言ってみやは自分の部屋に戻っていった
私は遥奈の背中を撫でながら泣き止むのをまった
私が本気で怒ったから怖かったのかもしれない
でもこれは…
これだけはほっておいたら遥奈の事だからむちゃしすぎると思う
よくも悪くも一直線だからね
少ししたら遥奈も落ち浮いたのか泣き止んだ
そっと頬に触れると遥奈は少しくすぐったそうにしている
本当に何もなくてよかったよ...
確かに遥奈は強いかもしれない
でもそうだとしても男には力で勝つことは難しい
いつか傷つくのは誰でもない
遥奈自身だ
じっと見つめると遥奈は不安そうにしている
そう言うと遥奈はかなり驚いている
まぁ、怒るみたいなことはしたくなかったけどさすがにこれはね?
まぁ本人もかなり反省してくれたしこれ以上は怒らないけど…
本当に怖かった
教頭が居る可能性もあるしな…
私が悩んでいると遥奈は私の手を握ってきた
そう言って意気込んでいる
まぁあのおっさんにやり返したい気持ちもあるんだろうな…
明るい声に心でため息をついた後2人で理事長室に向かった
理事長室につくと外には体格のいい男性の先生が入り口に立っていた
恐らく中から脱走させない為なんだろう
中には何人かの先生と教頭、学年主任の先生と理事長が居た
さらに気がつくと父親と長谷川と可哀想に林が居た
そう言うと分かりやすく教頭は舌打ちをして居た
恐らく遥奈が居る事が面白くないんだろう
ま、殴られて一発気絶じゃダサすぎだわな?
そっと遥奈を隠すために一歩前に出た
父親の標的になるだろうな…
遥奈を面倒事に巻き込みたくなかったんだけどな…
後悔しながらも諦めてさっさと帰るようにしようとした
そう言ってそそくさと帰ろうとしたら笑顔で理事長に呼び止められてしまった
遥奈が返事をすると理事長がわざとらしくため息をついた
恐らくこの会話さえも録画か録音をされているんだろう
この人もなかなか食えない人だよね
そう言うと遥奈はしゅんとしおらしくしている
そうすると私の後ろに隠れるようにして震えていた
これはなかなか面白いかもしれないなw
そう思って教頭を見ると顔を真っ赤にして怒っているようだった
それを聞いて理事長が机をバンとかなり強く叩いた日頃なかなか感情が読めない人だから私も少しだけ驚いた
理事長がゆっくり顔を上げると分かりやすく怒っていた
そう言われるとなにも返せないのか教頭は苦虫を噛み潰したような顔をしていた
そして理事長の目線は我関せずと言った態度の教師陣にも目配せをした
そう言うと全員黙ってしまった
すっと父親が立ち上がって荷物をまとめている
父親は分かりやすく自身に満ち溢れていた
きっとなにかバレた時に切り捨てられるようにしていたんだろう
それが見えたから教師陣も証拠を残したんだろう
私がそう言うと父親は分かりやすくニヤッと笑った
そう言うと父親は悔しそうにしている
相変わらず詰めが甘いんだよね?
ってかこれはもしかして林が危なかったのか?
チラッと長谷川に目配せすると小さく頷いた
はっ!
馬鹿らしい…
こんな奴が親だと思うと吐き気がする…
そう言うと元々呼んでいたんだろう警備員が教師陣を取り囲んだ
私は教頭のそばに向かうと目の前に立った
冷たく言い放すと後ろからニコッと遥奈が微笑んだ
それだけ言うと発狂している人間をおいて私と遥奈は部屋から出た
そして少し離れると2人同時に笑ってしまった
ある程度笑うとふうと空気をすって冷静になった
ふと遥奈を見ると顔が晴れやかな顔になった
私達は手を繋ぎ直して部屋に戻ることにした
明日からは池田家でお泊まりが始まる
その間に契約日もある
それでもここに居るよりは楽しみが多い
きっと家族だけに見せる遥奈の顔も見られるだろうから
航さんにも久しぶりにお会いする
あの時とは違う
死にかけの顔だと言われないといいけどね?w
期待と不安でぐちゃぐちゃだけど私は前を向いて歩き始めた












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。