第30話

29話
8
2026/03/23 08:00 更新
綾視点





あの時に気付けばよかった…
まさか残ってるなんて思わなかったから…
そんな後悔ばかりが募っていく
みやが気付いた時にはもうかなり離れてしまっていた
仕方なくみやを私達の部屋に向かわせて異常がないか確認させている
戻るとちょうど理事長と鉢合わせになった
どうも今回の面談は教頭や一部の教師が行っていたらしい
ま、これで帰省組かホテル居残りか確実に分かるからね
それを知った理事長が慌てて来たそうだ
中に入ると学年主任と遥奈が言い合っている
その間で教頭が気絶している
学年主任の話しぶりから遥奈が殴ったんだろう
一撃で気絶させたのはすごいなw
さすがと言った方がいいのかな?
なんて思っているとどうも遥奈は何かをして教頭の口から証言を引き出したらしい…
しかも何かを理事長が察して遥奈に自分を大切にと言っていた
それだけで吐き気がした
いっそこいつに思い知らせようかとも思ってしまった
それに理事長が気付いてほどほどにとお小言まで貰ってしまった
そもそもこんな奴を野放ししている学校側の問題じゃないかな?
いつもならある程度耐えられるけど何をしたのか分かり次第あいつには地獄を見せてやろう…
私は部屋に戻ることを伝えると遥奈の腕をつかんで無言で私達の部屋に戻る事にした
分かってる
きっと遥奈は私が言われていたから何かしら追い詰めたかったんだと思う
でもこんな事を私は望んでない
当の遥奈は反省しているのかしょんぼりとついてきている
今声をかけたら遥奈を責めてしまいそうで私は無言のまま部屋に向かった
藤宮すずめ
遥奈さん!よかった…何もなかったですか?
みやも心配してたのか遥奈の顔を見てほっとしていた
でも実際には何かがあったからか遥奈はみやから目線をそらした
池田遥奈
………
藤宮すずめ
え?……遥奈さん?
紺野綾
今からそれを確認する。遥奈?データってなに?
池田遥奈
……えっと…………
私が聞くと遥奈は下を向いてもごもごしている
恐らくは言いたくないんだろう
でもこれは私の会社も関係している
と言うことは最低限私は聞く権利があるはずだ
じっと見つめるが遥奈は頑なに言おうとしなかった
紺野綾
じゃあ現状何があったか先生に確認するね?データはどうせ私の元に回ってくるし
池田遥奈
や!そんなことしなくても!………大丈夫
紺野綾
大丈夫かどうかは私が判断することだよ?遥奈は私に言いたくないんでしょ?それに最悪あの場所は密室になるから学校側に防犯カメラがあるしそれを確認させて貰うから
池田遥奈
だめっ!それは…だめ
相当嫌なのか私にすがるように懇願している
だったら…
紺野綾
なら今そのデータを見せてくれない?
池田遥奈
でも…
藤宮すずめ
大丈夫ですよ?私も居ますからね?
池田遥奈
…………うん
そう言うと観念したのか携帯を出してくれた
…………
データは録音データだった
流して貰うと遥奈がわざと教頭に媚びて証言を引き出そうとしている
恐らく鼻を伸ばしていたんだろう
下卑た親父の声がして吐きそうになる
みやが居てよかったよ...
居なかったら何してたか分からないや
少なくともあの豚にはこっちからも制裁を与えるとして…
どうしたものかな?
ふとみやを見ても頭を抱えてしまっている
藤宮すずめ
何でこんな事したんですか?
池田遥奈
だって!結構男の人ってこう言うのでペラペラしゃべるからそれで聞き出せば少なくとも証拠として使えるかなって…すずちゃんが録音してるのを見ていぃ方法かなって
私は遥奈の目の前で腕組みをしたままだから怖かったのかどんどん声が小さくなっている
この程度でペラペラしゃべってくれたからよかったものの…
だから理事長が自分を大切にしろって言ってたのか…
池田遥奈
それにお尻を触られてイラついて殴っちゃったし……
紺野綾
は?!なにそれ!殺すか……
藤宮すずめ
わー!綾さんストップ!ストップですっ!!!
紺野綾
や、それはそれ。これはこれ。あの豚生きてる意味ないでしょ?
藤宮すずめ
それはそうなんですけど!一旦落ち着いてください!!今やったら意味ないですし、それよりも!!遥奈さんの方を考えてください!!!
確かに…
それはそうだな
じっと遥奈を見ると泣きそうな顔をしている
怒りたいけどきっと私の為なんだろう…
怒らなくてひたすらため息しか出なくなってしまった
池田遥奈
ごめんなさい...
紺野綾
何を反省してるの?
池田遥奈
あの、殴っちゃった事…
紺野綾
それと?
池田遥奈
そ、それと?!………えっ、と……
紺野綾
遥奈?私はね?遥奈が傷つくのは嫌だよ?きっと遥奈は私の為にしてくれたのかもしれない。でもこんな事されても私は嬉しくないよ?今回は触られるだけだけど次は何をされるか分からないでしょ?相手によってはレイプされるだけじゃなく命の危険だってあるんだよ?それは分かってる?
池田遥奈
はい
私がそう言うと遥奈は今にも泣きそうな顔でしょんぼりしている
でも今なぁなぁにしてしまったらきっとまた同じことをすると思う
だからこそ私は心を鬼にしてでも言わないといけない
紺野綾
もう二度とこんな事しないって今私とみやに誓って?みやだってかなり心配してたからね?
藤宮すずめ
や、私は…
紺野綾
みや?これはさすがに甘やかさないで?遥奈が何かあったら私は自分が許せなくなる。だからこそ私達に誓って
池田遥奈
はぃ、誓います……ごめんなさい
そう言うと遥奈は下を向いてポロポロと泣いてしまった
私ははぁと息をついた後そっと遥奈を抱き締めた
遥奈はビクッと振るえていたけどそのまま私の腕の中で泣いていた
藤宮すずめ
遥奈さん、もしまた何か思い付いたらまず私に教えてくださいね?
池田遥奈
うん、ごめんなさい...
紺野綾
みや、ごめんね?
藤宮すずめ
いえ、お二人とも無理しないでくださいね?絶対ですよ?
そう言ってみやは自分の部屋に戻っていった
私は遥奈の背中を撫でながら泣き止むのをまった
私が本気で怒ったから怖かったのかもしれない
でもこれは…
これだけはほっておいたら遥奈の事だからむちゃしすぎると思う
よくも悪くも一直線だからね
少ししたら遥奈も落ち浮いたのか泣き止んだ
紺野綾
もう大丈夫?
池田遥奈
………ん、大丈夫
そっと頬に触れると遥奈は少しくすぐったそうにしている
本当に何もなくてよかったよ...
確かに遥奈は強いかもしれない
でもそうだとしても男には力で勝つことは難しい
いつか傷つくのは誰でもない
遥奈自身だ
じっと見つめると遥奈は不安そうにしている
紺野綾
本当に何もなくてよかった…生きた心地がしないよ……
池田遥奈
ごめんなさい...
紺野綾
頼むから本当に二度としないでね?絶対だよ?
池田遥奈
うん、絶対にしない
紺野綾
ん…怒ってごめんね?
そう言うと遥奈はかなり驚いている
まぁ、怒るみたいなことはしたくなかったけどさすがにこれはね?
まぁ本人もかなり反省してくれたしこれ以上は怒らないけど…
本当に怖かった
池田遥奈
違うの!私が勝手にやったから!あやちゃんは悪くないの!
紺野綾
うん…ありがとうwとりあえず書類もって理事長室に行かないと…あ、遥奈は……
池田遥奈
行くっ!
紺野綾
え、でも…
教頭が居る可能性もあるしな…
私が悩んでいると遥奈は私の手を握ってきた
池田遥奈
大丈夫!あやちゃんのそばから離れないし、手を繋いでいく!
そう言って意気込んでいる
まぁあのおっさんにやり返したい気持ちもあるんだろうな…
紺野綾
嫌だったら手を引っ張ってね?私も帰るから分かった?
池田遥奈
うん!
明るい声に心でため息をついた後2人で理事長室に向かった
理事長室につくと外には体格のいい男性の先生が入り口に立っていた
恐らく中から脱走させない為なんだろう
中には何人かの先生と教頭、学年主任の先生と理事長が居た
さらに気がつくと父親と長谷川と可哀想に林が居た
紺野綾
失礼します。先ほどお話ししたものをお持ちしました
そう言うと分かりやすく教頭は舌打ちをして居た
恐らく遥奈が居る事が面白くないんだろう
ま、殴られて一発気絶じゃダサすぎだわな?
そっと遥奈を隠すために一歩前に出た
父親の標的になるだろうな…
遥奈を面倒事に巻き込みたくなかったんだけどな…
後悔しながらも諦めてさっさと帰るようにしようとした
紺野綾
では、私達はこれで…
そう言ってそそくさと帰ろうとしたら笑顔で理事長に呼び止められてしまった
紺野綾
なんでしょうか?
理事長
申し訳ありませんが池田さんに確認がありまして...
池田遥奈
はい、なんでしょうか?
遥奈が返事をすると理事長がわざとらしくため息をついた
恐らくこの会話さえも録画か録音をされているんだろう
この人もなかなか食えない人だよね
理事長
教頭があなたから暴力を振るわれたと言われてしまいまして...お話しをうかがいたいんですが…
池田遥奈
はい、私は……
そう言うと遥奈はしゅんとしおらしくしている
池田遥奈
教頭先生から体を触られまして…我慢していたんですが………この…お尻を触られてしまって…それで、怖くて……
そうすると私の後ろに隠れるようにして震えていた
これはなかなか面白いかもしれないなw
そう思って教頭を見ると顔を真っ赤にして怒っているようだった
教頭
お前がすり寄ってきたんだろうが!このアバズレがっ!!
それを聞いて理事長が机をバンとかなり強く叩いた日頃なかなか感情が読めない人だから私も少しだけ驚いた
理事長がゆっくり顔を上げると分かりやすく怒っていた
理事長
教頭、例えそれが真実であったとしても教え子に手を出すとは何事ですか?それでも教員ですか?!
そう言われるとなにも返せないのか教頭は苦虫を噛み潰したような顔をしていた
そして理事長の目線は我関せずと言った態度の教師陣にも目配せをした
理事長
あなた方もです。守らなければならないはずの生徒の、しかも一番安全を担保しなければならない寮の鍵を売り飛ばすなど言語道断です。それなりの覚悟はおありですね?
そう言うと全員黙ってしまった
すっと父親が立ち上がって荷物をまとめている
理事長
紺野さんどちらに行かれるんですか?
紺野博久
私は関係の無いお話しのようなので失礼します
紺野綾
ではこちらの書類はどうされますか?これはあなたが教師陣を煽って販売を進めていた事。さらにはそれで出来たお金の流れなど細かく記された書類ですが?
紺野博久
…………綾、お前は中を見てないのか?
父親は分かりやすく自身に満ち溢れていた
きっとなにかバレた時に切り捨てられるようにしていたんだろう
それが見えたから教師陣も証拠を残したんだろう
紺野綾
見ましたよ?
紺野博久
だったらっ!
紺野綾
確かに書類上はわが社が関係があると証拠付けることは出来ません
私がそう言うと父親は分かりやすくニヤッと笑った
紺野綾
ただし!音声データでは確かにあなたが私達を襲わせるために教師陣に威しをかけていたり退職した部下を呼び出したりやりたい放題は伺っていますよ?
そう言うと父親は悔しそうにしている
相変わらず詰めが甘いんだよね?
ってかこれはもしかして林が危なかったのか?
チラッと長谷川に目配せすると小さく頷いた
はっ!
馬鹿らしい…
こんな奴が親だと思うと吐き気がする…
理事長
今回に関しては刑事事件として私の方から手続きをさせていただきますよ?よろしいですね?
そう言うと元々呼んでいたんだろう警備員が教師陣を取り囲んだ
私は教頭のそばに向かうと目の前に立った
教頭
な、なんだ?!お前のせいでっ!!!
紺野綾
私のせい…あなたが1人で自爆しただけですよ?
冷たく言い放すと後ろからニコッと遥奈が微笑んだ
池田遥奈
外見で判断したお前のミスだよwあやちゃんを傷つけたんだから地獄に落ちろw
教頭
お前っ!!
池田遥奈
あやちゃん、怖いから帰ろう?
紺野綾
そうだね?もう2度とお会いすることはないと思いますがどうぞお元気で
それだけ言うと発狂している人間をおいて私と遥奈は部屋から出た
そして少し離れると2人同時に笑ってしまった
紺野綾
遥奈?wあれはだめだろう?w
池田遥奈
そう言うあやちゃんだって今にも殴りそうだったよ?w
紺野綾
まぁ、でもね?w
綾、遥奈
自爆がひどすぎるw/ひどすぎるよー!w 
ある程度笑うとふうと空気をすって冷静になった
ふと遥奈を見ると顔が晴れやかな顔になった
紺野綾
気が済んだ?w
池田遥奈
うん!言いたいこと言えたからスッキリ!
紺野綾
そう?w
私達は手を繋ぎ直して部屋に戻ることにした
明日からは池田家でお泊まりが始まる
その間に契約日もある
それでもここに居るよりは楽しみが多い
きっと家族だけに見せる遥奈の顔も見られるだろうから
航さんにも久しぶりにお会いする
あの時とは違う
死にかけの顔だと言われないといいけどね?w
期待と不安でぐちゃぐちゃだけど私は前を向いて歩き始めた

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