遥奈視点
今日は終業式なのに午後があるなんてね?
あるのは居残り組だけなんだけどさ…
先輩も何人か居るらしくおそらくホテルの事で話があるんだろう
でも私もあやちゃんも、すずちゃんも帰るって先生に伝えてあったんだけどな?
他に何かあるとか??
考えながらもご飯を食べていた
あっちゃー!
ぼんやりしすぎちゃった!!
特に大したことを考えてた訳じゃないのに!
後少しだったから案外早く食べきれた
でも本当になんで呼ばれたんだろう??
集合はなぜか保健室だった
とは言え学年や人数が多い学年はクラスごとに呼ばれていた
3人でうーんと悩んでいるとどんと人にぶつかってしまった
そう言うとその人は少し前の集団に入っていった
私は記憶がなくて困っているとすずちゃんは苦笑いをして居る
マジか…
ややこしいかな?
なんだか胸がちりっと傷んだ
だって今まであやちゃんから先輩の話しなんて聞いたこと無かったから...
お話ししたことあるんだ…
どうしよう
なんか…
モヤモヤする……
いつお話ししたんだろう?
結構私、あやちゃんのそばに居たよ?
それなのに会ったこと無いと思うし…
なにより他人にあまり興味がないって自分から言っているあやちゃんが人の事フォローするなんて…
も、もしかして...…
あんな感じの大人な美人さんが好き…なのかな?
チラッと先輩の方を見ると私の肩をポンポンと叩かれた
振り向くと佳那先輩が居た
そう言うと先輩は石橋先輩の後ろに立った
ふと前を向くとすずちゃんがアワアワしている
???
なんだろう?
ふと後ろを向くとあやちゃんが怖い顔をして居た
こんなに怒ってる顔見たこと無いよ?
不安になってすずちゃんを見ても苦笑いしてるだけだし…
私、何かしちゃったかな?
あやちゃんと目を合わせたくてもこっちを見てくれないし…
やっぱり…
あの先輩みたいに大人じゃないからかな?
で、でも!
この前キスしてくれたし!!
嫌いって訳じゃない…よね?
もしかしたら子供っぽすぎて嫌われた…とか?
や!
そもそも友達としか思われてないかもだけど!!
…………
どうしよ…
考えてて悲しくなってきた…
ふと前を見るとちょうど石橋先輩と佳那先輩が呼ばれていた
私は考え事をし過ぎていてあやちゃんがなにを言ったか聞こえてなかった
そう言ってあやちゃんは苦笑いするだけだった
すずちゃんを見ても苦笑いしてるだけだからきっとまだ聞けないんだろう…
その後は普通に3人で話しながら待っていたけど心のモヤモヤは晴れなかった…
言われるまま3人で先生の前に座った
結局話していた通り保健室ではなく奥の面談室に呼ばれて入った
そこには先生が2人座っていた
正面のソファーに座るとそこに居たのは教頭先生と私達の学年主任の先生が座っていた
え?どうしよ…
なにも考えてなかったかも…
でも確かに1ヶ月丸々かかるわけ無いもんね…
チラッとあやちゃんを見てみたけど特になにもないみたいだし…
んー…と悩んでいるとすずちゃんが話し始めた
そう言うと学年主任の先生が用紙に記入していく
先生も大変だなぁ…
何て呑気にしていると教頭先生が苦虫を噛み潰したような顔で話しかけてきた
え?
確かにあやちゃんの会社の人かもねとは話してたけど…
結論退職した人だったって分かったじゃん!
それに退職したのは何年も前だって話だし…
何であやちゃんを貶めるような話し方なの?
黙って聞いていれば…
なに?
コイツ…
あやちゃんを悪者にしてそんなに楽しい?
って言うかもしかして...
イライラしながらもボロが出ないかじっと待っていると学年主任の先生が心配そうにあやちゃんを見ている
え?!
今の馬鹿にしてた?!
私がビックリしていると教頭先生は今にもあやちゃんにつかみかかろうとした
でも学年主任の先生が押さえてくれた
教頭先生が小柄でよかったよ…
ふとすずちゃんを見るとこっそりと携帯を出していた
あ!
もしかして録音してる?
や?
どこも馬鹿にしてないでしょ?
むしろあやちゃんは蔑んでる気がするけど?
どんどんヒートアップしていく教頭を見て私は頭の芯がすーっと冷静になるのを感じた
そう言うと返答を待たないであやちゃんが立ち上がった
すずちゃんもそれについて行こうと立ち上がっていた
私も慌てて立ち上がると教頭は机を蹴り飛ばしていた
そうあやちゃんが言うと教頭は苦虫を噛み潰したような顔をしている
え?
まさかだけどこの人が手引きしたとか?
それも全てあやちゃんのせいにしたかったのかな?
でも嫌味を言いたくて仕方なかった…ってことかな?
なんのために?
や、意味はないのかもしれないけど…
そう言うとあやちゃんはそのまま部屋を出ていった
すずちゃんもそれに合わせて部屋を出ていった
私はくるっと振り返り教頭のそばに向かった
そっと教頭の肩に手を置いてわざと上目遣いで見つめてみた
そうすると分かりやすく鼻の下を伸ばしている
わざと教頭の腕に胸を押し当てて墓穴を掘るのをまった
こんな事で自分の体に感謝するなんてね?
はー…
気持ち悪っ!
すると教頭は私の腰に腕を回して耳元に口を近づけてきた
わ!
くっさっ!!
加齢臭なんとかしろよ、じじい!
ってか自分でしといてなんだけど学年主任止めろよ!
うっ…
吐きそう…
そう言うと教頭は学年主任から見えないように私のお尻を撫でてきた
は?
キモい手で触るなよ
手を払い除けて腹立たしすぎてつい腹部に拳を入れてしまった…
隣を見ると学年主任が唖然と私を見ている
ため息をついて携帯の録音を止める
再生してみると案外綺麗に、しかもしっかりと録音できていた
睨み付けると先生は頭を抱えていた
のびている教頭を挟んで私と先生が言い合いしていたら理事長とあやちゃんが来た
やっば…
これは私が気絶させたって知ったら…
アワアワしていると先生はなにかを察したのかため息をついて居る
怒られるかと思ったら案外言われなかったかも…
暴力振るったのは事実だけどまぁなんとか出きるはずだしね♪
なんて呑気に考えてしまった
振り向くと静かに怒っているあやちゃんがいた
微笑んでいるのにすごい圧がある
あやちゃんこんな感じて怒るんだぁ…
そんな事を考えながら背中の冷や汗が止まらない!
そう言うとあやちゃんは私の腕をつかんで部屋を出た
ど、ど、ど、どうしよう!!!
全くこっちを見ようとしないし、なにより怖すぎて声をかけられないっ!
この後の事を不安に感じながら私は黙ってついていく事しか出来なかった












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。