第53話

番外編:バレンタイン vol.2
398
2026/02/14 01:00 更新



バレンタイン当日。


教室に入った瞬間、

いつもと違う空気を感じた。


mob.
おはよーー!
mob.
今年何にした?



女子たちのテンションが、

明らかに高い。


あなたはカバンを抱えたまま、

そっと席に着いた。


中には、

昨日ラッピングした小さな箱。


――ある。


それだけで、

心臓が落ち着かなくなる。


hskw
あなた!



サラが小走りで寄ってきた。


hskw
チョコ、持ってきた?
あなた
…うん
hskw
よし!大丈夫!



なぜかガッツポーズ。

その視線の先。


mob.
伊波くん!
mob.
これ受け取ってください!



ライの机の周りには、

すでに女の子が集まっていた。


mob.
うわすご……



思わず声が漏れる。


ライは少し困った顔で、

でもちゃんと一人一人受け取っている。


hskw
人気者だね
あなた
うん、



でも。


ライの視線が、

ふっとこちらに向いた。


目が合う。


一瞬。


それだけなのに、

胸が跳ねる。


あなた
……今、見た?
hskw
見てたね



星川がにやにやする。


hskw
絶対あなた見てたでしょ
あなた
そ、そんなこと…



否定しながら、

心臓は正直だった。



昼休み。


hskw
あなた、いこ!
あなた
む、無理!
hskw
なんで!
あなた
人多いし!
hskw
だから今でしょ!



わちゃわちゃしているうちに、

ライの周りが少し空いた。


hskw
ほら!



背中を押されて、

一歩前に出る。


inm
あなた?
あなた
あ、えっと……



心臓がうるさい。


あなた
はい……これ



小さな箱を、

両手で差し出す。


あなた
手作り



一瞬、静かになる。

次の瞬間。


inm
……まじで?
inm
嬉しい



顔が、ぱっと明るくなる。


inm
ありがとう
あなた
…ちゃんと渡せてよかった
inm
後で食べてもいい?
あなた
もちろん
inm
大事にする



その言葉に、

胸の奥がふわっと温かくなる。


放課後。


帰り支度をしていると、

ライが声をかけてきた。


inm
一緒に帰ろ
あなた
うん



廊下を並んで歩く。


inm
今日さ
あなた
ん?
inm
チョコ、あなたからもらえたのが一番嬉しかった
あなた
そんなこと、、
inm
ほんと



少し照れた笑顔。


inm
もらえたとき、
めっちゃテンション上がった



夕焼けが、

二人の影を長く伸ばす。


inm
ありがとう
あなた
……どういたしまして



手が、少しだけ触れる。

離れない。


inm
来年も、期待していい?
あなた
…ばか



笑いながら、

小さく頷いた。


バレンタインは、

ちゃんと甘くて。


ちゃんと幸せな一日だった。












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