《あなたside》
2on2では私達と三年生のサトウ先輩を入れての対決となった。
何故か二年vs三年になった。
全体的に向こうの方が背が高いが多分大丈夫。
隙さえあれば何とかなるだろう。
制限時間3分の戦いが今始まった。
シルク君がサトウ先輩からボールを奪い、
一気にゴールへと距離を詰める。
そこへはじめ先輩のディフェンス、サトウ先輩の妨害が重なり中々シュートを打つ事が出来ない。
サトウ先輩の足の間をバウンドして抜けたボールは私に一直線に届いた。
ドリブルをしながらゴールへと距離を詰めるとはじめ先輩が正面からボールを取りに来る。
伸びてきた右手とは反対に体をひねり背中で壁を作りながらその手をかわした。
ゴール付近で待機する彼に叫ぶと彼は「待ってました」とばかりにパスを受け、綺麗なレイアップを決めた。
2人でハイタッチをして「よっしゃ次!!」なんて言いながら笑った。
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そして3分はあっという間に過ぎて結果発表。
結果は10ー8で三年生が勝利した。
後半、先輩達の意地の追い上げによって惜しくも二点差で負けてしまった。
こうしてバスケ体験と見学が無事終わり部員に混じって片付けを済ませると最終下校時刻になった。
はっはっはっはっ!!
なんて豪快に笑う先生に「はい。ちょっと自信がつきました。」と返すと、
「そうかそうか!」と大きな手で頭をくしゃりと撫でられた。
そして「気をつけて帰れよ」と声を掛けて先生は体育館を後にした。
その後先輩方に挨拶を済ませ、着替えると後ろから声を掛けられた。
「いそげいそげぇい!」と彼がその場でぴょんぴょん飛び跳ねて居るので急いで支度をして体育館を後にした。
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《Silk side》
「自転車だから帰りは心配しないで!」
と遠慮する彼女に「こんな暗いのに1人で家に返せない」と言いくるめ彼女の自転車を俺が漕いで二人乗りで彼女の案内の元、家へと向かった。
家へ着くまでの間、今日の2on2の話や先輩達の話、彼女の向こうでの話・・・色々な事を話しながら笑い合った。
今日初めて会ったはずなのに話していて楽しいと思える彼女は、
俺の中学生活で初めて気の合う女友達になった。
女友達なんて自分から滅多に作らない今の俺に出来る精一杯の距離の詰め方。
彼女の顔は見えない分、ハンドルを握る両手に力が篭った。
一呼吸置いて帰って来たその答えに俺はホッとしながら、
と答えた。
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そして現在。
俺は彼女の家に辿り着いた。
同時に自宅にも着いた。
彼女・・・あなたは俗に言う“お隣さん”だった。
確かに案内された道は見覚えがあった。
ただ、違うとすればオレがいつも行くのはショートカットに便利な裏道で、あなたに案内されたのは表通りだと言うこと。
ただそれだけだ。
あなたは不思議そうに固まる俺を見ていた。
頭にはてなを浮かべるあなたに隣の家の表札を指さした。
この日を境に俺らは一緒に帰る事になった。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。