第8話

帰り道。
226
2019/06/23 10:05 更新
《あなたside》

2on2では私達と三年生のサトウ先輩を入れての対決となった。

何故か二年vs三年になった。
全体的に向こうの方が背が高いが多分大丈夫。
隙さえあれば何とかなるだろう。
サトウ モブロウ
サトウ モブロウ
んじゃ行くぞー。
スタート!
制限時間3分の戦いが今始まった。
シルク君がサトウ先輩からボールを奪い、
一気にゴールへと距離を詰める。
そこへはじめ先輩のディフェンス、サトウ先輩の妨害が重なり中々シュートを打つ事が出来ない。
あなた
あなた
シルク君パス!
シルク
シルク
っしゃ!
頼んだ!!
サトウ先輩の足の間をバウンドして抜けたボールは私に一直線に届いた。

ドリブルをしながらゴールへと距離を詰めるとはじめ先輩が正面からボールを取りに来る。
伸びてきた右手とは反対に体をひねり背中で壁を作りながらその手をかわした。
はじめ先輩
はじめ先輩
ぬぉ!?
あなた
あなた
シルク君!!!
ゴール付近で待機する彼に叫ぶと彼は「待ってました」とばかりにパスを受け、綺麗なレイアップを決めた。
シルク
シルク
っしゃぁぁ!
あなた
あなた
ナイスゥゥゥ!!!
2人でハイタッチをして「よっしゃ次!!」なんて言いながら笑った。



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そして3分はあっという間に過ぎて結果発表。

結果は10ー8で三年生が勝利した。
後半、先輩達の意地の追い上げによって惜しくも二点差で負けてしまった。
はじめ先輩
はじめ先輩
ひぃぃぃ
危なかったぁ〜
シルクはともかくあなたちゃんの小回りが効きすぎてめちゃくちゃ回避されるから焦った・・・
サトウ モブロウ
サトウ モブロウ
筋力と戦略で戦うシルクとは別にフットワークとボールコントロールが強みのあなたちゃんは良いプレーしてたんじゃないかな。
あなた
あなた
ありがとうございます!!
先輩方には負けちゃったけど楽しかったです!!
シルク
シルク
あれ?
俺頑張ったのにあんま褒められてないんだけど!?
サトウ モブロウ
サトウ モブロウ
いや、シルクはいつも通り筋肉だし。
はじめ先輩
はじめ先輩
シルクが動ける筋肉なのは知ってるし。
シルク
シルク
扱い酷くね!?
てか、「動ける筋肉」ってなんすか!!
「動けるデブ」みたいに言わんでくださいよ!?
あなた
あなた
ふはっw
動ける筋肉w
こうしてバスケ体験と見学が無事終わり部員に混じって片付けを済ませると最終下校時刻になった。
あなた
あなた
今日はありがとうございました。
楽しかったです。
志麻先生
志麻先生
おぅ。
楽しかったなら良かったな!
休憩中の2on2もいい動きだった。
シルクと組んだとはいえ三年にあれだけ張り合えたんだ。
自信持っていいぞ!!!
はっはっはっはっ!!
なんて豪快に笑う先生に「はい。ちょっと自信がつきました。」と返すと、
「そうかそうか!」と大きな手で頭をくしゃりと撫でられた。
志麻先生
志麻先生
まぁ、なんだ。
うちの部には良い奴が多い。
また気軽に遊びに来い。
あ、マネージャーとしての入部も大歓迎だからな!

・・・部活なんて一生のうち、限られた期間しか出来んものだ。
やりたい事をやるといい。
そして「気をつけて帰れよ」と声を掛けて先生は体育館を後にした。

その後先輩方に挨拶を済ませ、着替えると後ろから声を掛けられた。
シルク
シルク
久瀬クゼさーん。
もう遅いから送る。
帰るぞー!
「いそげいそげぇい!」と彼がその場でぴょんぴょん飛び跳ねて居るので急いで支度をして体育館を後にした。
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《Silk side》

「自転車だから帰りは心配しないで!」
と遠慮する彼女に「こんな暗いのに1人で家に返せない」と言いくるめ彼女の自転車を俺が漕いで二人乗りで彼女の案内の元、家へと向かった。
家へ着くまでの間、今日の2on2の話や先輩達の話、彼女の向こうでの話・・・色々な事を話しながら笑い合った。
今日初めて会ったはずなのに話していて楽しいと思える彼女は、
俺の中学生活で初めて気の合う女友達になった。
シルク
シルク
あのさ、
あなた
あなた
ん?なに?
シルク
シルク
俺さ、友達になった奴は名前で呼びたいからあなたって呼んでいい?
女友達なんて自分から滅多に作らない今の俺に出来る精一杯の距離の詰め方。
彼女の顔は見えない分、ハンドルを握る両手に力がこもった。
あなた
あなた
・・・もちろん。
私もシルクって呼んでいい?
一呼吸置いて帰って来たその答えに俺はホッとしながら、
シルク
シルク
おぅ!
と答えた。
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そして現在。
俺は彼女の家に辿り着いた。
シルク
シルク
・・・マジか。
同時に自宅にも着いた。
彼女・・・あなたは俗に言う“お隣さん”だった。

確かに案内された道は見覚えがあった。
ただ、違うとすればオレがいつも行くのはショートカットに便利な裏道で、あなたに案内されたのは表通りだと言うこと。
ただそれだけだ。

あなた
あなた
・・・?
シルク?どうしたの?
あなたは不思議そうに固まる俺を見ていた。
シルク
シルク
あー、お前送ったら俺ん家にも着いた
あなた
あなた
???
頭にはてなを浮かべるあなたに隣の家の表札を指さした。
あなた
あなた
・・・きぬ、ばり・・・絹張・・・。
えぇぇえ!?
シルク
シルク
うるさw
あなた
あなた
あ、ごめん
この日を境に俺らは一緒に帰る事になった。

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