前の話
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めめ……さん?なんか変だな……
……蓮さん。うん、これで行こう。
ベネズエラのハーフ……
どうりでスタイルがいいわけだ……
納得した
感心していたら、急にそんなことを言われた。
優しい笑顔を向けてくる照さん
まだ若干ぎこちないけど、なんとか自己紹介を終えた
亮平side
あなたが自己紹介をしてくれた。
そこで思った。
分からないことが多い。今まであんな扱いだったから、それが普通なのかもしれない。
あなたが好きなこと、得意なこと、嫌いなもの、苦手なもの。
これから一緒に見つけていこうね(*^^*)
あと、もうひとつ。
……学校どうしよう
あなたは幼稚園までしか行ってない。
多分勉強の基礎も教わっていない。
それなのに、いきなり学校に行かせるのか?
それとも、いっその事学校には行かずに俺らが勉強を教える……?
──────いや、後者は無理だ。
教えられないわけじゃない。
でも、あなたには「普通」を知って欲しい。感じて欲しい。
学校行って、友達と遊んで、授業受けて……
そういう楽しみを感じて欲しい。
大丈夫。今はまだ5月。あなたはこれで6年生になったばかりだから、あと約1年は、俺らが勉強を教えよう。
色々見てて思ったけど、多分あなたは色んなことの飲み込みが早い。
あなたは黙ってしまった。
多分、自分の意見を言えただけでも成長したと思う。
ありがとう。伝えてくれて
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。