あなたの下の名前 side
泣き疲れた私は ベッドに潜る
布団が柔らかくて気持ちいい .
昨日も寝ていたのに ,
初めて 触れたかの様な感覚だ .
( ガチャッ )
帰ってきた万次郎さんは
なんだか 鉄の臭いがした .
彼が私に近付くことで ,
その原因が分かることとなった .
万次郎さんは 服や髪 , 顔に
沢山の血を付けて帰ってきた .
いや なにも 大丈夫じゃない .
どうして 「 人を殺した 」 とか
簡単に言えるの?
近くにタオルがあったので
私は それを取り ,
( 何故か近くに洗面所があるので )
水を含ませて絞り ,
万次郎さんについている血を
何も言わずに 拭き取る .
万次郎さんの為とかじゃなく ,
血を見たくないから 、という
私の勝手な気持ちからきている .
お礼を言われると複雑だ .
この時 , 私は彼を甘く見ていた .
万次郎さんに押し倒された .
こうして 私と万次郎さんの
長い時間が幕を開けることとなった .
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!