あなたside
" それは違う "
" 心臓が痙攣してポンプとしての機能がなくなっているから、心臓から正常に血液を送り出せていないんだ "
" 動いてはいるが…心停止して時間が経っているから、非常に危険な状態だ "
…こんな事になるなら、
最初からおばあちゃんの言うことを聞けばよかったッ
そうすればきっと、こんな事にはならなかったのに……ッッ
" とにかく病院へ急ぎましょう "
風雅side
夜中、拓哉が病院に搬送されたと聞いてイギリスから急いで帰国した。
車のドアをバンッと閉めて病院へ入ろうとした時、ある人物が立っているのに気づいた。
…なんやねん「久しぶり」って。
……
は?
そう思わず殴ろうとした拳を、駆けつけた池田さんによって止められた。
…
回想
病院のイスに座るおばあちゃんに声をかけた。
それに、今やるべきことはそれじゃない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!