小学生の頃いつも通っていた並木道。
中学生になった私はいつも通りそこを通る。
今日は入学式だ。
もともと恥ずかしがり屋で引っ込み思案な私。
友達も多いわけではなかった。
気分の乗らないまま校門に着く。うつむいて歩いていると、
どすん。
誰かにぶつかったみたいだ。
「す…すみま…せ…ン」
かすれそうになるほどの声で言う。
「大丈夫?怪我はないか?」
そこにいたのは、イケメンだった。
「全然、大丈夫、です…」
「敬語使うなよ!俺は、蓮。よろしく!」
急に名前!? そう思ったけどまあいっか。
「私は…青山莉愛です。よろしく…ね…!」
うまくしゃべれない!はあー。
「莉愛だな!またお前の教室行くから!」
えー!?急だよ。
そんな事言えるわけがなかった。
あいつ…いや 蓮 はどんなやつなんだろうかq
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。