《あなたさんですか?ちょっとお話が。》
「はい。」
私はお医者さんに呼ばれた。
なんだろう。悪いことじゃありませんように。
《大変申しにくいのですが、菊池さんの頭には末期の腫瘍が見つかりました。》
「え、ただの疲労じゃ…」
《はい。はじめは私達もそう思っていましたが、先程緊急検査をしたところ…。》
「それって…。」
《持ってあと1年あるかないかでしょう。》
「そ、そんな…。」
え?ありえない!昨日まであんなに元気いっぱいだったじゃん!
だって私達これからなんだよ?
風磨だって、やりたいこといっぱいあるはずだもん。
信じたくない。嫌だ。嫌だ。
このことは風磨に行ったほうがいいのかな?
風磨のいる病室に戻ると、風磨は起きていた。
「っ…。風磨っ!!」
私は風磨に抱きつきた。
なんで風磨なの?私じゃないの?なんで?
気が狂いそう。
『あなた。俺、知ってんだ。』
「え…?」
知ってる?何を?腫瘍のこと?
いつ?いつから?
『あなたも聞いたんだろ。さっき看護婦さんが来て、検査の結果の紙…』
なんて言ったらいいのかわからない。
こんな弱気な風磨始めてみた。
いつも無邪気に笑う風磨。
私が風磨の笑顔守らなきゃ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。