第29話

あまこく 酔うも惚れるも君のせい
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2024/12/07 02:22 更新
こーくside



早く………帰りたい





そう思って俺は飲めないお酒の入ったコップを握りしめる。



そらびび
ぷりっつぅーお前はアホだなぁ



生憎一番信頼できる相方は飲めないくせに酔い潰れいるし、


実質俺は一人ぼっちだ。



なんで………



こーく
なんでこんなとこに誘われたんだよ




活動者の宴会だ、お前は友達が少ないんだから俺と一緒に来い、と言ってきたびびくんをとても恨む。



周りには知らない人だらけで、コミュ障の俺にとっては地獄の雰囲気が漂っている。



俺はお金を置いて店を出ようと準備をしていた、




アマル
ん?こーく、さん?


落ち着いた低音ボイスで声をかけられ、俺はふと振り向く。


こーく
あ、どうも



相手は名前だけ知っている。


確か………びびくんと仲良かった「アマルさん」だったかな?



アマル
w………やっぱりこーくさんだ、びびがいつもお世話になっています
こーく
え、あ、こちらこそ



だめだ、初対面の人とは中々スムーズに話せない。



アマル
こーくさんの動画、よく見ています
アマル
でも実際会えると思わなかったなぁ



アマルさんは陽キャなのか、コミュ力お化けなのかわからないけど、初対面の俺にたくさん話を振ってくれる。



そんなアマルさんに俺は「ありがとうございます」だとか、「そうですか」とかしか言えない。



こーく
ア、アマルさんって確か………ぷりっつさんと仲良かったですよね



動画で見ましたと付け加えて言うとアマルさんは笑った。


アマル
あいつ、今びびと酔い潰れて寝てるんです、ほら………



指差した方をみるとびびくんとぷりっつさんが机にぶっ潰してぐっすり寝ている。



こーく
あーあ、お酒飲めないのに………
アマル
ほんっとあいつら、バカなんだから
アマル
あ、でも、こーくさんも飲まないんですか?



俺が手に持つお酒を見てアマルさんが不思議そうに聞く。



やばい………ここはどうしよう?



無理にでもお酒を飲むか?


いや………激弱なんだよ、俺



こーく
………
アマル
え、あ、ちょ!




俺はコップに入ったお酒を全部飲み干した。



こーく
ぅ゙っ………



慣れないお酒のせいでくらくらする。


アマル
え、大丈夫すか………?
アマル
え、待って待って………




心配してくれる声が、遠くに聞こえる。



やばい………と思った瞬間には意識は途切れていた。










こーく
ぅ゙っ………




ずきずきとした頭を抱えて目を覚ます





こーく
あれ………俺、



見渡せば知らない場所だ。


何だかとてもいい匂いがする。




アマル
ん、こーくさん?ようやく、目、覚ましたんですねw



エプロンをした料理姿のアマルさんが俺のを見てくすっと笑う。



おそらく朝食を作っているのだろう。



こーく
え、え………アマルさん?


こんがらがっている頭を整理しようと、エプロン姿のアマルさんの名前を呟く。





アマル
あー、ここ、俺の家っすよ
こーく
え、俺………なんかしちゃいました?
アマル
何かしたもくそもないっすよ
アマル
急にお酒、一気飲みしてぶっ倒れるんですから




その言葉で朦朧とした記憶が蘇る。



気まずさでつい、飲めないお酒を一気に飲んでしまったのだ………




こーく
あぁ………やっばい



とても迷惑をかけていたんだ。



こーく
まじですみません




俺が頭を下げるとアマルさんは笑っていいよいいよ、と言う。



アマル
まぁ………びっくりしたけどねw
アマル
だって、びびよりもお酒、弱いっすもん



その言葉に顔が赤くなるのを感じる。



俺は本当、お酒に弱い。



アマル
ま、酔ってるこーくさん、可愛かったけど
こーく
………え?




本人からしたらさりげなく言っているつもりだろう。



しかし端正な顔立ちで「可愛い」と言われると、同性でも不覚にもドキリ、としてしまう。



こーく
なんか俺………変なこと言ってませんよね?




念の為、聞くとアマルさんはピタリと動きを止めた。



アマル
………特になんか言ってた記憶ないなぁ







アマルside





宴会にいるこーくさんは明らかに浮いていた。


というのも、誰とも話していないのだ。



俺自身、こーくさんと面識がないし、びびの相棒、とだけ知っているくらいだ。




それでも一応、挨拶がてらこーくさんに話しかけてみた。







こーくさん、確かにコミュ障だ。


わかる、だから俺も必死で話題を振ったりするんだが、

「はい」とか「いいえ」とか、そんくらいしか返事してくれないもんだし


正直、俺も戸惑っていた。





そんでもって、俺がこーくさんにお酒の話をすると、こーくさん急にお酒を一気飲みした。



アマル
あ、ちょ、!



止めたのが遅かった



絶対、こーくさん、お酒弱い。



俺の勘は当たっていて、こーくさんはふらふらして俺にもたれかかってきた。



アマル
こーくさん、こーくさーん?
こーく
んー………
こーく
俺、おさけ………無理………
アマル
わかってますってそんなこと



と、冷静に受け答えしつつ、俺はこーくさんのギャップに驚いていた。



だって………





アマル
可愛いじゃん………




何さっきのコミュ障



お酒飲んだらめっちゃ甘えん坊?



こーく
んー………びびくん、ばかぁ
アマル
………



ここでびびの名前を出すのは、正直気持ちは良くない。


俺は財布を取り出してこーくさんの分のお金を宴会のテーブルに置いて店を出た。



こーく
………むり、おさけ
こーく
あたま、痛い



外へ出た時もこーくさんは舌足らずな言葉で俺に寄りかかってくる。



アマル
はいはい、わかってるから



内心、可愛いが炸裂しているが、自分を抑えて、こーくさんを家へ連れて帰る。



お持ち帰りをしたわけじゃない((


いや、したいけど!


 
流石に初対面の活動者に手を出すほど俺はクズじゃない。




酔ったこーくさんを置いていったら他の男どもにお持ち帰りされるに違いない。




せめて酔った可愛い姿を目に焼き付けて、まだ理性のある俺が家へ泊めようと思った。











アマル
ほんっと好きになるじゃん、あんな姿………





こーくさんが眠る姿を見て呟いた言葉は俺だけの秘密。




あんまりないカプだけど、いいよね

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