病室の窓の外、
灰色の空を見つめる。
心の中のざわつきは、
静まるどころかますます強くなる。
テヒョンの顔が浮かぶたび、胸が痛む。
あの笑顔、あの声、あの手の感触___
全部が俺を押し潰す。
手元にはペンと紙。
震える手で文字を綴る。
言葉にするのは簡単じゃない。
“ごめん” “ありがとう” “さよなら”
それだけでも、
胸が張り裂けそうになる。
少しずつ、手紙は形になっていく。
思い出の一つひとつを、
文字に置き換えながら、
涙が頬を伝う。
あの日のキスも、夜の温もりも、
全部、彼と過ごした時間の証。
でも、今の俺には、
それを抱えきれない。
jk「もう、これ以上は…」
声に出せない想いを、紙に込める。
読む人がわかるかどうかは、わからない。
でも、書かずにはいられなかった。
手紙を書き終え、深く息をつく。
その紙をベッドの上に置き、
そっと視線を離す。
誰もいない病室に残された文字が、
俺の最後の言葉になるだろう。
そして、静かに立ち上がり、
病室を出る。
廊下の冷たい空気が肌を刺す。
心臓の奥のざわつきは、
まだ収まらない。
屋上への階段を一歩一歩上る。
手すりに触れるたび、
ひんやりした金属の感触が
現実を知らせる。
それでも、足は自然に、
屋上の扉へと向かう。
空を見上げる。
灰色の雲が流れ、
街の灯りが小さく瞬く。
風が肌を撫で、
耳元で囁くように吹く。
深呼吸をして、目を閉じる。
胸の奥で、
テヒョンの名前をそっと呼ぶ。
最後に心の中で、彼に伝える。
jk「ありがとう、そして……ごめん」
風が体を包み込み、
時間だけが静かに流れていく。
屋上には、俺の声も、足跡も、
誰にも届かない。
でも、手紙は病室に残っている___
読めば、テヒョンはきっと、
俺の気持ちを知るだろう。
目を閉じたまま、俺はただ、
風と一体になり、心を解き放った。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!