社長室を後にし、私は用務室へ向かった。
……それにしても、面倒な任務を引き受けてしまった。
心の中でぼやきながら、両袖の中に手を前に隠したまま扉を開く。
部屋に入ると、すぐに声が上がった。
そう言いながら椅子をクルクルと回しているのは、まるで子供のような男。
片手には駄菓子、足をブラブラさせながら、どこか楽しそうな顔をしている。
江戸川乱歩。
異能力者すら超えた超越者、武装探偵社最強の名探偵。
その天才的な推理力は、誰もが尊敬するものだ。____もちろん、私も。
私は軽く肩をすくめ、口元に袖を寄せながら笑った。
すると、隣から聞きたくもない声が響いてきた。
……耳元でふざけた声を出してくるこの男。
此奴は 太宰治。一応同僚。
口に出しかけた言葉を、どうにか飲み込む。
それでも、私の態度は冷たいままだ。
そう言い放ち、自分のデスクに積まれた書類を片付ける。
隣では太宰が何やら文句を言っているが____聞き流すことにした。
そして、一週間後。
私は今、第8特殊消防隊の施設の前に立っていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。