騒がしくて食べることにしか集中しなかったBBQも終わり、合宿も終了した。
そんなある日。
賢二郎くんの靴箱にラブレターが入っていた。
毎年本命チョコを複数貰っている川西くんが口を挟む。
…ほんとはしてるけど。
せっかくの相手の子の勇気を無下にしようとする賢二郎くんの腕を掴む。
咄嗟に掴んだから何を言うか考えてなかった。
強がってこんなことを口走ってしまう。
私の手から離れていった腕。
行き場のない手を見つめていると後ろから川西くんが顔を出した。
背中を叩こうとして手を止める。
はぁ、、
放課後、きて欲しくないな。
私の彼氏なのに。
その日は1日魂が抜けたかのように過ごした。
ほとんど記憶がない。
そして運命の放課後。
私は体育館で待っていることができず、つい、告白場所である中庭に来てしまった。
後輩女子「好きです!付き合ってください!」
ちょうど、好きと言われている場面。
足が竦む。
少しの間が空いて賢二郎くんは口を開いた。
ドキッと心臓がはねる。
"大切だから"
思い出してもにやけてしまう。
そんなこと思ってくれてるんだ。
走って去っていった女の子をぼーっと眺めていると後ろからハグされた。
私と接する時は意地悪なくせに、心の奥では私の事を大切にしてくれている。
それを知ることができて嬉しい。
告白してくれてありがとうと、あの後輩の女の子に心の中でお礼を言った。
こんなこと言ったら賢二郎くんに変なやつって言われそうだから口には出さないでおこう。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!