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第43話

Vol.2
俺達は何の為に走っているんだろう。遠慮のない理不尽な暴力に耐え兼ね、俺は睨み付けるように言い放った。 
「木村先輩、銀流会の松山さんなら、そんな無茶を言いませんよ」
そう言った時、木村(先輩)は睨み据えるように
「お前どういう事やねん。まさか付き合いあるんと違うやろの!?まぁ今日はこの位でええやろ。今後のことをよう考えておくことや!!それとマサユキ!!使い物にならんお前は、頭から降ろすからの」
そう言って荒々しく木村(先輩)はマークIIに乗り去って行った。
その後俺達は何時しかチームとしての走りから遠ざかり、今は誰かが跡を継ぎ走っているようやけど、今の俺達には関係のないことである。
「ふ~ん、暴走族も大変なんやね」
「イイ先輩もいるんやけど、木村先輩はヤクザやから遠慮しているんやと思うねん。
マー君が私の言葉に答えてくれた。自ら選んだ道は必ず平坦でないが、自ら泥を拭うかのように勤労に励んでいるという。フフフ、私はよく判らないけど、スティングレーなる車を買うと言う。
いつの日にか俺達2人は慎悟さんを慕い追い掛けるようになっていた。
ある日俺はケンちゃんと2ケツでバイクを走らせS市の銀流会事務所に行ったんや。
「何や、お前等は!!」
インターホン越しに怒鳴られ、俺達は「怖あ~」と顔を見合わせながらも、おどおどとしながら答えたんや。松山さん居ますか――― と、通り行く車から異様な視線を背中に感じながら。
「何や、幹部の知り合いか。ちょっと其処で待っとれや」
5分くらいだったろうか、事務所の玄関ドアが開くと「…!?」木村先輩どころでないスキンヘッドの、如何にもヤクザという特攻服を着た男が出てきたんや。
「あんなぁ、T市の天心教近くの屋台のスタ麺で8時に待っとるとよ。ところでお前等はヤクザ志願か?グフフフ」
「いや…その…」
「お前等、早う離れんと弾かれるぞ!!」
「えっ!?」
「グフフフ。嘘や嘘やグフフフ。ほなのう」
そう言ってドアは閉められた。
「ケンちゃん、ホンマに怖そうなオッサンやな」
「こら、クソガキ!!声まる聴こえじゃ!!グフフフ」
俺達は「やっぱり本物のヤクザや!!」言うて走り去ったのは言うまでもない。
「アハハハ、確かに怖かったと思うわ。だって、私だってビビるわよ。そうだ、何か買ってこようか」
「そうやな、それじゃ俺缶ビール。スーパードライな」
「じゃ俺も」
「ちょっとアナタ達、歳は幾つなのよ」
少し2人を咎めようと言葉を挟むと、2人は同時に
「成人式迎えました~」
と笑い返された。夜空の月が微笑ましそうに私達を照らしていた。
「ケンちゃん、おいで」
そう言って私は彼等ともう暫く付き合うことにした。
「じゃ、頂きま~す」
「ちょっと、まだ乾杯してないでしょ」
「えっ、何の乾杯なんよ?」
「綺麗なお姉さんとの出会いを祝って」
2人が大笑いした。ちょっと君達、私ってそんなに笑うほどブサイかな?大人の魅力をまだ判ってないな君達には。人の繋がりは自ら求めても、そう簡単に繋がるものじゃない。繋がりは廻り合わせなんだと感じた夜でもある。
「それじゃ綺麗なお姉さんに乾杯」
「カンパ~イ」
いつ頃からだろうか、深夜のコンビニやスーパーマーケットに若者達がタムロするようになったのは。そして今私がいる。
その時、黒色の20型のセルシオがパーキングに入ってきた。
賑やかな車だ。異常な程に流れるサウンドが車外まで洩れ流れ、車にマッチしていない気がする。
「あ、Shoko&Sexy Crime」

🎵 まだ? イケてる…よ

どうして そこまでして安売りしている訳!?
バーゲンセールの傷みかけた林檎みたい
それともリサイクルショップに吊るされているジーンズ

嫌だわ いつか私 あの女(ひと)みたくなる訳!?
タマゴ産めずに陳列棚のブロイラーなるの!?
それともレンタルショップで借り受けられないシューズ

# 競りにかけられているような男(やつ)は つまんない
それを必死こいて落とそうとしている女(ひと)嫌だね
△そんなMoneyあるなら自分を磨けばイイじゃない
今の私達みたいに戻ることは無理としても
オンナには武器あるじゃない
まだ?イケてる…よ #△

どうしてそこまでして こだわり続ける訳!?
真っ赤なポルシェはシワを隠すコラーゲンなの
それとも弛んだ お腹を隠す為のアイテム

#~# 2Repeat

## まだ?イケてる…よ
もう遅いかな!?
まだ大丈夫
心配ないよ ##

##~## 2Repeat

△~△ Repeat

( Words: Wild Chan )

「へえ、結構人気があるんだ」
「お姉さん、知ってるんや」
マー君が意外そうに答えた。確かにイイ歌もあるけど、嫌味っぽい歌詞に吹き出したことを思い出した。
車の両ドアが開くと更にサウンドが響いた。
「よう、お姉さん。ガキ相手に3Pするんか?何なら俺等が相手したろか」
下品なチンピラ達。
「お姉さん、無視無視」
小声ケンちゃんが言う。確かにそれが一番かもしれない。
「お姉さん、無視かよ。そんなガキなんかより楽しませたるで、イヒヒ」
こういう男には、恐らくマトモな恋愛もないだろうと感じながら私達は無視をしていた時にケンちゃんが言ってしまった。
「ガキでごめんね」
その言葉に私達は爆笑に包まれたの。
「アハハハハ、Niceケンちゃん。それ知ってる。Shokoの歌。アハハハハ」

🎵 ガキでごめんね

ガキでごめんね

そりゃアンタに勝てる訳じゃない(16だもんね)
ナイスバディーのおネエさんだもの(そうかな)
電車の中で色気振り撒いてさ(イヤだよね)
朝の会話に弾むワタシたちは(ウザいかな?)
ガキごめんね

ちょっと短かめ制服のスカート(生脚だよ)
アンタと違ってオトコ気にしてない(言えてる×2)
makeバッチリ誰に見せるため(派手すぎない)
勝てる素材は変にスレてない(それが魅力かも)
ガキでごめんね

脚を組み揃えてBlackcoffeeイカしてるね
ワタシにはまだムリだわ苺milkが似合ってる
fashion雑誌は違っているけど
イケメン好みは同じだね
オジサン ワタシを見つめているわ
やっぱ仔猫が好きなんだ # そんな怖い目をして睨まないで涙が出ちゃうよ
今ある青春だから 何時も元気に過ごしちゃうんだ
ガキでごめんね
だから許してね #

ちょっと目の下クマが出来てない(お疲れかな)
きっと失恋朝まで飲んでたのよ(Oh My GATT)
そうねワタシも泣いたことがある(あったよね)
だけど焦らず今を楽しんじゃえ!(それが1番)
ガキでごめんね

恋の経験はそんなに多くないけれど
甘いばかりじゃないことウブなワタシでも知っているよ
揃いの浴衣で夏のお祭り
肩を並べて金魚すくった ひとつの綿菓子食べっこしたよ
人混み離れてfirst kiss #~# Repeat

( Words: Wild Chan )

「こらクソガキ、お前等なめとるんか!!」
「ちょっと待ちなさいよ。いいわ相手してあげる。その代わりもう1人呼んでもいいかしら」
「ちょっと、お姉さん…」
私はケンちゃん達にウインクした訳。当然こんなチンピラを相手にする気なんてない。さて、どのように出るのか楽しみだわ。真夜中のスリリングに今何だか胸がときめいている私がいた。