第4話

文芸作品のテーマ決め
11
2018/08/19 09:56
 バーベキューが終わり片付けもおちついたため俺は2階の部屋に布団を敷き、その上で少しのんびりしていた。そうしたら秀雅が1階に文芸サークルのメンバー8人を招集していた。
やっとこのキャンプの本来の目的である藤都祭に提出する文芸作品のテーマと世界観を決めるらしい。「じゃあ今から作品のテーマと世界観を決めるよ〜。みんなはどんなテーマと世界観がいい?」と萌香が話しを切り出し瑞稀がしっかりとノートにメモを取る。
はたから見たらこの2人は波長や性格が似ているためかカップルと言われてもおかしくない組み合わせだと感じてしまった。
少し嫉妬しながら会話を聞いているとさまざまなテーマや世界観があがっていた。例えばファンタジー系やアクション系・恋愛系…。俺はどのテーマや世界観もしっくりこなかった。
俺はみんなに体調が悪いと嘘をつき風呂に逃げ込んだ。目を閉じても脳裏に浮かぶのは普段から常に笑顔の梨鼓翔と今日1人で迷子になって俺を見つけた時の梨鼓翔の安堵の表情だ。
( 俺やっと気づいたよ!俺が梨鼓翔のことが好きなことに…‼︎でもこの気持ちは隠し通してみせる。そうでなきゃ今までの関係は続かないから)俺はそう心に誓い風呂を出た。そして他のみんなが上がるまで俺は2階の布団で休んでいた。

プリ小説オーディオドラマ