【サネside】
サネが病院へ到着すると、すぐに大好きな匂いを感じた。
サネはカンナに会いたくて、ひたすら名前を呼んだ。
すると、椅子の陰からカンナが顔を覗かせているのが見えた。
カンナが泣きながら駆け寄ってくると、サネはそれに応えるように猫キャリーバッグの戸をガリガリと引っ掻いた。
カンナがゲンヤの足に飛び乗って、猫キャリーバッグに近寄ってくる。
すると、ゲンヤがしゃがみ込んで、すぐにサネとカンナの目線を合わせてくれた。
その愛らしい顔に、隠せない寂しさがにじみ出ている。
同じ気持ちだったサネは、胸が締め付けられる思いがした。
猫キャリーバッグの戸が開かれると、
サネはカンナに飛びついて抱きしめた。
互いに抱きしめ合って、転げ回りながら頬を舐め合う。
サネはカンナのふわふわな毛に顔をうずめて、
自分の匂いをつけるように、丁寧に毛づくろいをしていった。
カンナもそれを望んでいるようで、しっかりとサネにしがみついて受け入れているのだった。
【カンナside】
すみの言葉を聞いたカンナは居ても立っても居られなかった。
カンナはドキドキしながら中原動物病院でその到着を待っていた。
そして、サネの声が聞こえると、カンナはすぐさま駆け寄った。
しっかりと抱きしめ合って、毛づくろいをし合う。
カンナはサネがすり寄ってくれるのがたまらなく嬉しくて、その身をゆだねていた。
そのまま二匹が再会を喜んでいると、すみもやってきた。
ゲンヤとすみが穏やかに見つめる中、カンナとサネは毛づくろいを続けていた。
こうしてサネは、すみに抱っこされていった。
そして、検査を終えたサネがゲンヤと共に待合室に戻ってくると、すぐさまカンナの傍に来てぴったりとくっついてくるのだった。
ゲンヤがにこにこ笑顔でサネの頭を撫でていた。
するとそこへ、すみもやって来る。
診察が終わったのを機に、カンナがそう思った時。
カンナは思わずサネを見た。
サネもカンナを見ていた。
すみがこちらに視線を落とすと、すかさずサネがぎゅっとカンナにしがみついてくる。
そしてカンナもサネにぎゅっとしがみついた。
すみが困ったように微笑んで、カンナとサネの頭を撫でた。
こうしてカンナは、しばらくゲンヤとサネのお家に
お泊まりすることになったのだった。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。