オレは絵名が捨てられなかった絵を見る
……正直絵のことはよくわからねぇ
でも。
絵名は黙ったまま。
絵名の目が少し揺れる
言葉を探す
沈黙。
オレ何か間違えたか……?
絵名の目から涙が落ちた
絵名はしばらく黙っていた
そしてゆっくり立ち上がる
床には壊れたキャンバス。
破れた絵。
でも、
机の上に白い紙を置いた。
絵名は鉛筆を持つ
もうあんな暗い顔じゃねぇ
決意に満ちた顔だな
それでもオレは椅子に座る
( シャッシャッ、
鉛筆の音が響く。
なんだか心地よい音だ。
静かな部屋の中で
絵名はまた絵を描き始めた。
床には壊れたキャンバス。
だけど、
真っ白な紙の上に、
新しい線がゆっくりと生まれていった。
彰人に言われて気づいた。
私には才能がない。
昔から気づいていたこと。
与えられなかった才能に絶望して、
何もかも終わらせようと思った。
私は評価を気にしてばかりだ。
だからただただ楽しむってことを考えないことが多い。
それにあった絵を描く。
意味ある絵を描く。
それを描くことができない私は必要ない。
でも今は違う。
ただただ自分の思う通りに描くことも大事。
誰かに響くこともあるかもしれない。
……だから
# 壊れたキャンバス .
𝓯𝓲𝓷𝓲𝓼𝓱____
あとがき ( 飛ばしていただいても構いません )















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。