日曜で学校は休みだから、今日は寮でまったりと過ごそうと思っていた矢先に、まさかこんなことになるとは。
そう叫びながら、俺は寮のリビングに通じる扉を開ける。
リビングでは、デカいテレビの前でコンピュータゲームをして一緒に遊んでいる麗ちゃんとチョコボー会長、そして、キッチンで昼のコーヒーを作っている最中の灯部先輩がいた。
キッチンのカウンターに迫り、バンっと両手でカウンターを叩く。びっくりしつつも灯部先輩が俺に質問してきた。
ちょうどゲームをし終えた2人がカウンターにやってくる。
俺は泣きながら麗ちゃんにしがみつく。すると、何故か麗ちゃんは頬を赤らめて俺を無理矢理引っ剥がした。
2人が目を丸くして(灯部先輩はゴーグルを掛けてて目元が見えないけど)びっくりしている。
麗ちゃんが興味津々という顔をして俺に迫って質問攻めをしてくる。
灯部先輩が、自分のコーヒーと麗ちゃんのカフェラテ、そして、俺とチョコボー会長のチョコましましココアをカウンターにことりと置いていきながら言う。
平日は時間も守り、なんでもテキパキとこなす鬼頭副会長だが、寮だと反動で性格がゆるゆるになってしまうのだ。
そう言うと、2人はドアを開き、トテトテと2階へ繋がる階段をのぼっていってしまった。
まずい、事故の話をしてもっと気分が悪くなった。
母さんも義父さんも俺のことを慕ってくれているのは本当だ。でも、あの事故からずっとモヤモヤする。何かを忘れているような、そんな感じがする。
いつの間にか場の空気がどんよりと重くなっていることに気づき、あわてて麗ちゃんに声を掛ける。
麗ちゃんが心配そうに、そして、何か言いたげにこちらを真っ直ぐ見る。
ピンポーン♪
不意に玄関のチャイムが鳴る。
しかし、次の瞬間。
リビングのドアが勢いよく開いた。
そこには、ふわふわのターコイスと群青の髪で白衣を着た女性が仁王立ちで立っていた。



















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。