某日の昼休み。
僕は昼食のサラダといちごミルクを摂り終えて、いつもの貯水槽の上で脚をふらふらさせながら居座っていた。
その下の屋上の床には、焼きそばパンをたらふく食っていびきをかきながら寝ているあなたの姿もある。幸せそうに仰向けですやすやと寝ているのを見ると、こちらも微笑ましく感じた。
にこにこしながらあなたを見つめていると、下の扉がガチャンと開く音がする。もしやと思い、とっさに貯水槽から飛び降りて入口のほうを見る。
思った通り、鬼頭副会長がいた。
意表を突かれて聞き返す。
資料係って…、たしか鬼頭副会長だけでやってたよね。資料室片付ける時にチラッと鬼頭副会長が手を付けてる資料の山を見たけど、まさか今まであれ全部を一人で片してたの?目の下にあるクマや作業机の横に並べられていたいくつかの空の栄養ドリンク。ここまで来たらもうブラック企業で働いているのと同じだ。見るからに絶対人手不足だし…。
しかし、あなたを一人にさせてしまう可能性があることが頭をかすめる。
ヤツが過去に父を事故…いや、死神が起こした事件で失っていることは、一度本人から聞いたことがある。ヤツが目を覚ました時、僕がいなかったらどう思うだろうか。過去のトラウマが掘り返されてしまうだろうか。
………いや、さすがに考えすぎかな。
僕は鬼頭副会長からの頼みを了解した。
鬼頭副会長が不思議そうに尋ねる。
僕は、鬼頭副会長と僕の横でいびきをかきながら気持ちよさそうに寝ているあなたをちらっと見て微笑し、鬼頭副会長に言った。
鬼頭副会長が少しだけ口の端をあげる。
いちごホイップサンドを食べ終わったあなたが、空の袋をクシャクシャと丸めて自分のズボンのポケットにねじ込む。
さっと仰向けになって寝転び、いつものようにあなたが心地良さそうに寝始めた。口元にはさっき食べたサンドのホイップがついている。
その姿が変に間抜けていて、僕は思わずフフッと笑みをこぼした。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。