気がつけばイルツ最終日の前夜
案外時間が経つのも早くて、…
もう少しだけ、…あの輝きを見ていたいと思った
ベンチに座って夜景を眺めてると足音が聞こえて
何故かふと、足音が止まった
あぁ、…よかった、
無茶振りをしたから、絶対に来ないと思ってた
そこには私を冷たい目で見るドリムさん達がいた
…その名前で呼ばれたくないのにな、
せっかく、…ウヨンとして生活するのが慣れてきたのに
せっかく、あなたという名前を捨てれたのに
もう、…そんな名前私には必要が無いから
私は立ち上がってドリムさん達をベンチに座らせた
でも、一向に喋る気配がないし、
皆もウヨンの事が相当衝撃だったのか言葉を失ってる
ほら、…だから言わない方が良かったでしょ?
誘った側がこんな可笑しい質問をしてる事も
十分承知済みだ、でも…気になってしまう
だって、…貴方達にとっては辛い事なのに、
黙りきっていたヘチャンさんが私を見て言った
そう言われた瞬間何も考えられなくなった
あんなに酷いことを言ったのに、
あれだけ突き放すような言い方をしたのに、
どうしてっ、…どうして貴方達は
私の心の中に入ってくるの、?
嫌われる覚悟で今までやってきた、
今更心にはいられてもどうしようも出来ないっ、
大丈夫、きっと大丈夫
私の選択は間違ってないでしょ
そう問いかけても
もう二度と返って来ることの無い
でも、きっとそうだよって言ってくれてる、
だから私は胸を張って明日のライブ頑張れるよ
そうでしょ、?…兄さん、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。