第12話

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2019/04/12 15:19 更新




「--っあ、うう、あ、ああ、うわああああぁっ……!」





すっかり枯れ果てたと思っていた涙腺が、勝手に緩んでくる。

ぼろぼろ涙をこぼすだけなら良かったのに。
ことに私は何もないコンクリに座り込んで、子供みたいな、手負いの獣みたいな声を上げて泣いた。




五条さん。

こんなのひどい裏切りです。
私にだけ約束を山ほど押し付けて、突然居なくなってしまうなんて。



五条さん、五条さん。
どうせこんな私を見て、けらけら笑っているんでしょう。


長野にも連れて行ってもらえなかった。無理をしないって約束も破られた。告白の返事も香水も、愛も、命も、人生も……

あのひとは何一つ、くれなかった。





五条さん。


どうして、ひとりでなにもかも抱えて、行ってしまったんですか。



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