「--っあ、うう、あ、ああ、うわああああぁっ……!」
すっかり枯れ果てたと思っていた涙腺が、勝手に緩んでくる。
ぼろぼろ涙をこぼすだけなら良かったのに。
ことに私は何もないコンクリに座り込んで、子供みたいな、手負いの獣みたいな声を上げて泣いた。
五条さん。
こんなのひどい裏切りです。
私にだけ約束を山ほど押し付けて、突然居なくなってしまうなんて。
五条さん、五条さん。
どうせこんな私を見て、けらけら笑っているんでしょう。
長野にも連れて行ってもらえなかった。無理をしないって約束も破られた。告白の返事も香水も、愛も、命も、人生も……
あのひとは何一つ、くれなかった。
五条さん。
どうして、ひとりでなにもかも抱えて、行ってしまったんですか。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。