深澤side
なんとか阿部ちゃんの異能を使って、10人で俺らの隠れ家まで空間移動することができた
阿部ちゃんもさ、あれからずっと後悔してて
自分の異能力をもっと使いこなせるようにって、阿部ちゃんなりに努力してたの
さすがにあいつらもここまでは追ってこれないだろ
阿部ちゃんが計算しつくして完璧に隠した、それに結界まで張ってあるからね
…まぁ、阿部ちゃんだけじゃなくてみんな自分の能力に磨きをかけてた
あなたは、あの日帰ってこなかったからさ…
今は俺の毒を使って眠らせてる
身体に害は出ないから大丈夫
簡易ベッドとかしかないんだけど、とりあえずそこにあなたを寝かせた
みんなあなたのことを心配そうに見つめる
ぼーっとしているうちに結構な時間が経っていたらしい
部屋の中にはいつの間にか眠っているあなたと俺だけになっていた
近くの椅子を引っ張ってきて腰をかける
あなたの手を取ってそっと握る
やっぱり暖かい
あなたは…、兵器なんかじゃない…っ、
俺らのかけがえのない家族なんだよ…っ、
ちゃんと生きてるんだよ…っ、
とん…と、肩に誰かの手が乗る
驚いて振り返るとそこにはいつも以上にタレ目で自室に戻ったはずの照がいた
気がついたら俺は自分の部屋のベッドに寝かされてて、時間も深夜になっていた
リビングのように使っている部屋に向かうと、メモ付きで飯が置いてある
「食欲あったら食べて。
なかったら冷蔵庫入れて明日にでも。 宮舘」
その時だった
ガチャっと扉の開いた音がする
音のした方向にある部屋は1つしかない
向かおうと振り返った途端、俺の喉元には光の刃があった
でも、その刃を持つ手は細かく震えている
俺はあなたの瞳を見た
虹色に輝くその瞳は、まるでダイヤモンドに光を当てた時みたいで
気を抜いたら見惚れてしまいそうなほどの美しさだった
蹲って苦しみながら頭を抱えるあなた
記憶消されてんのに突然こんなこと言われたら混乱するよな…
俺はその身体にもう一度異能を使って眠らせた
そっと抱き抱えて、ベッドに戻す
…あなた、ちゃんと食わせて貰えてたのかな
俺、腰痛持ちで中々抱えられる人なんていないのにあなたはすんなり持ち上がってしまった
真っ白な肌に、光の無い瞳、痩せた身体
どれも俺の不安を掻き立てる
でも寝顔は…、昔のまんまで(笑)
やっぱりあなただなぁ…って
その手を握っているうちに、俺はまた睡魔に逆らえず眠りに落ちていった
to be continue…







![⛄💜17時のスイッチ[完結]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/EOkNL2MhxNOnLeVbLBmpGszqo363/cover/01KDMET6R8CVT70D1RTK9AKTAJ_resized_240x340.jpg)



編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。