第4話

兵器or人間
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2026/02/17 22:37 更新
辰哉
…っ、はぁ、っ、はぁ…
亮平
ふっか!
大丈夫!?
辰哉
ぎりぎり…、(笑)
深澤side





なんとか阿部ちゃんの異能を使って、10人で俺らの隠れ家まで空間移動することができた






阿部ちゃんもさ、あれからずっと後悔してて





自分の異能力をもっと使いこなせるようにって、阿部ちゃんなりに努力してたの





さすがにあいつらもここまでは追ってこれないだろ






阿部ちゃんが計算しつくして完璧に隠した、それに結界まで張ってあるからね






…まぁ、阿部ちゃんだけじゃなくてみんな自分の能力に磨きをかけてた





あなたは、あの日帰ってこなかったからさ…





今は俺の毒を使って眠らせてる





身体に害は出ないから大丈夫






簡易ベッドとかしかないんだけど、とりあえずそこにあなたを寝かせた
辰哉
翔太は?
涼太
眠ってるよ
傷は自分で治せたみたい
…あなた、…あいつらに、苦しい思いさせられたんだよな
康二
…ぐすっ、あなた…っ
ごめんなぁ…っ、もっとはよ…、ひっぐ、見つけられとったら…っ
ラウール
…っ、
…大丈夫だよ、ラウ
あなたが俺らのこと忘れるわけない
ラウール
…うん、っ、
大介
…あなたは…ぐすっ、誰も殺さなかった…
俺らを殺せって、命令されてたはずなのに…、
亮平
…ちゃんと、全ての攻撃が急所を外してた
改めてあなたの行動を分析してみたけど、多分無意識のうちに行ってて、本人は殺してるつもりだと思う
亮平
…ちゃんと覚えてるんだよ
今は心が眠っちゃってるだけ


みんなあなたのことを心配そうに見つめる





ぼーっとしているうちに結構な時間が経っていたらしい
涼太
…とりあえず、ご飯作るね
みんなもお腹すいたでしょ
康二
舘、俺手伝うわ
大介
俺も!
涼太
佐久間はできないと思うけど…(笑)
大介
は!?
別にできるし(笑)!
康二
ええやんええやん(笑)
おもしろそうやしな
部屋戻るわ
なんかあったら呼んで
亮平
じゃあ俺は翔太の様子見に行こうかな
めめとラウも行こうか
…うん、阿部ちゃん
ラウール
(うなずく)
部屋の中にはいつの間にか眠っているあなたと俺だけになっていた






近くの椅子を引っ張ってきて腰をかける
辰哉
…2年間、寂しかったよな
ごめんな…、兄ちゃんすぐに迎えに行けなかった…
辰哉
わかってたんだ…、わかってたんだよ…
あなたは帰ってくるつもりなんてないって
自分が囮になれば全員助けられるって、そう思ったんだろ…?
辰哉
でも…っ、あそこにいた奴らと遊んだら帰るって…っ、俺らに言ったじゃんか…っ、やくそくって…ぐすっ、いったじゃん…っ、
あなたの手を取ってそっと握る





やっぱり暖かい




あなたは…、兵器なんかじゃない…っ、





俺らのかけがえのない家族なんだよ…っ、






ちゃんと生きてるんだよ…っ、





とん…と、肩に誰かの手が乗る





驚いて振り返るとそこにはいつも以上にタレ目で自室に戻ったはずの照がいた
…ちゃんと吐き出せ
俺、ここにいるから
辰哉
…っ、
あーもう我慢すんな!
やっとあなたが戻ってきて言いたいこと言えんだから!あなたが眠ってるうちに泣いとけよ、泣き顔なんて見せたくないんだろ?
辰哉
…ぐすっ、ひか、る…っ、
…ん、俺はここにいるよ
辰哉
…っ、ぅ…ぁぁ…っ、ひっぐ、っう、
嬉しいよな、安心したよな…
生きててよかった…っ、ほんとに、よかった、
気がついたら俺は自分の部屋のベッドに寝かされてて、時間も深夜になっていた





リビングのように使っている部屋に向かうと、メモ付きで飯が置いてある






「食欲あったら食べて。
なかったら冷蔵庫入れて明日にでも。 宮舘」
辰哉
…、助けて貰ってばっかだな…おれ、
その時だった





ガチャっと扉の開いた音がする






音のした方向にある部屋は1つしかない






向かおうと振り返った途端、俺の喉元には光の刃があった






でも、その刃を持つ手は細かく震えている
あなた
…な、んで、…っ、私はあなたを、殺せな、い…っ、?
辰哉
…家族だからだよ
俺らは心で繋がった家族なの
あなた
…かぞ、く、なんて、いない…っ、
私は、国家のための…っ、兵器とし、て、作られ
辰哉
違う
俺はあなたの瞳を見た





虹色に輝くその瞳は、まるでダイヤモンドに光を当てた時みたいで





気を抜いたら見惚れてしまいそうなほどの美しさだった
辰哉
…あなたは、兵器じゃない
人間だよ
少し特別な力を持って生まれただけの、ただの人間
あなた
…あなたの名前(ひらがな)、…?
辰哉
零式なんかじゃない、君の名前は来栖あなた
俺の大事な妹だよ
あなた
…っ、わか、らない…っ、っう、
あなた
わた、しは、…っ、へい、きだ…っ
おまえ、たちを、ころさないと…っ
辰哉
…帰ってこい、あなた
鬼ごっこは終わり、な?
あなた
…っ、ちが…っ、わた、しは、っ、
蹲って苦しみながら頭を抱えるあなた





記憶消されてんのに突然こんなこと言われたら混乱するよな…




俺はその身体にもう一度異能を使って眠らせた




そっと抱き抱えて、ベッドに戻す





…あなた、ちゃんと食わせて貰えてたのかな





俺、腰痛持ちで中々抱えられる人なんていないのにあなたはすんなり持ち上がってしまった





真っ白な肌に、光の無い瞳、痩せた身体





どれも俺の不安を掻き立てる





でも寝顔は…、昔のまんまで(笑)





やっぱりあなただなぁ…って





その手を握っているうちに、俺はまた睡魔に逆らえず眠りに落ちていった






to be continue…

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