見知らぬ様で、見知った顔
知らない様で、知ってる顔
世界で一番、会いたくなかった…見たくなかった
顔
そう言って男はにこにこと笑顔を貼り付けている
気持ち悪い…離れたい……
逃げ…なきゃ…
一定の距離を保って、逃げる体制をとる
一気に背を向けて、そこから逃げ……
どうして?
いつでも…逃げられるはずなのに…
なんで…足が動かないの?
なんで…こんな奴の言いなりになるの…?
足が動く
向きを変えて、アイツの所に向かって行く
声が出ない
震えが止まらない
怖い…苦しい…ツラい…嫌だ…逃げ出したい…
そんな沢山の感情がぐるぐるとして
私は動けなくなった
あなたは今頃無事だろうか
あの糞野郎に鉢合わせていないだろうか
…あなた…
絶対に助ける
守る
梵天の、名にかけて
………あの女の為にも…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。