第12話

1つの楽しみと呼び方
62
2026/03/07 09:57 更新
ユウが帰り、そろそろ1時間目が終わる頃
「ねぇー、せんぱーい?」
俺は目の前のエース・トラッポラを無視していた
「先輩は何歳?」
『……』
「先輩ってどこから来たの?」
『……』
「あ、マジカメやってる?交換しよ!」



……な ん だ こ い つ は
メンタルどうなってんだよ

明らかに無視してるだろうが、どっか行けよ!
顔を覗き込まれて眉を寄せる
『さっきからうるさ』
「ねー先輩」
『……なんだ』
「1回でいいから、真面目に答えてくんない?」
『1回だけな』
「よっしゃー!んー、つっても質問することないなー」
……さっきまでずっと質問してたよな?
と思っていたら、机に身を乗り出して俺を見下ろす
「ねー、先輩!……何隠してるんですか?」
……勘のいい野郎が多いなこの学園は


いや、急に現れたやつを警戒するのは当たり前か
『っは、俺が素直に答えるヤツに見えるのか?』
「いや?思わねーけど、遠回しに聞いたら絶対はぐらかすじゃん。だからダメ元的な?」
……ただここ学園でちきゅうの手がかりを探すだけってのは、つまんないよな
エース・トラッポラ……いや、この学園の人間達


ゲームをしよう



俺は界に戻るまで正体がバレなかったら勝ち

人間達は俺の正体に辿り着けたら勝ち
ま、ゲーム内容を人間らに話すつもりはないが
1人の楽しみにしておこう
『俺は何者でもない。普通の奴だよ』
「えー、普通の奴に見えないから聞いてるんすけど。てか、なんで先生になれたの?いかにも怪しいです、って感じだったじゃん!」
もうちょいオブラートに包むことはできないのか?
『お前、授業は?あと五分で1時間目終わるが』
「っえ!?」
俺を探ることに一生懸命になっていたエースは保健室の壁に着いている時計を見て顔を青くする
「っ、やば!クル先に怒られる!」
そう言い駆け足で去っていったエース
……今度は時間ある時に来いよ

俺も一応教師だかんな

__昼休み
お、4時間目が終わったのか


人間は……食事、だったか

確かこの時間帯の食事は昼食と言われていたはず
それを取らないと生きていけないのか、不便だな
丁度やることも無いし、食堂とやらに行ってみるか

in食堂
随分と混んでるな、人間が多い
そういえば、保健室で会ったライオンの獣人授業に出たのか?


あんだけ堂々とサボってるなら、出てない可能性大だが
この学園は人間だけではないのだな
入学式の時の妖精に、

サボり魔であろう獣人、

軽く食堂を見渡しただけでも様々な種族がいる
……人間と一括りにするのはやめておこうか
「おい!テメェ」
人間はそのまま人間でいいな
「シカトか?あ?」
獣人は……ケモノとでも呼ぶか?
「調子乗ってんじゃねぇぞ?」
妖精は……フェアリー、とか?
「おい、いい加減こっち見ろや」
人魚はマーメイド一択だな


ところで後ろが騒がしいけど、揉めてんのか?
そんな時突然後ろから飛んでくる魔力
『っと、なんだ?』
避けてから後ろを向くと目の前に迫っている拳
避けられないな
そう思ったと同時に男の後ろへ移動瞬間移動する
『いきなり殴りかかってくるのは、どうかと思うが』

プリ小説オーディオドラマ