目黒side
あのライブの話し合い以降、俺はみんなにどんな小さなことでも相談するようになったし、みんなはより俺の手助けをしてくれるようになった。
弱視になって今日でちょうど3ヶ月。
もう部屋のなかを移動するのは朝飯前で、階段だって手すりがあれば余裕。
でもみんなは相変わらず心配だからって、いろんな場所で誘導してくれる。
ベッドから身を起こしたところで、大きなあくびが口からもれた。
まだ眠い目をこすって壁側をじっと見つめる。
あれ‥‥?
久しぶりに俺の目に
ピントの合った“景色”が見えた。
色も形もはっきりしていて、昨日とはまるで違う部屋に見える。
え?これ、夢‥‥?
目を軽くこすっても、ブンブンと頭を振っても、頬をつねってみても、その光景は変わらない。
嘘でしょ‥‥?
俺、ついに治ったの‥‥?
もう誘導とかも必要なく、“見える世界”で生きていけるの‥‥?
もとの居場所に、また立てるの‥‥?
感動と動揺で手が震えた。
横を見ると、まだぐっすりと眠る康二とラウールがいた。
ちゃんと2人の顔も見える。
本当に、治ったんだ‥‥!
俺はそう分かった途端、康二とラウールを揺すり起こしていた。
もちろん俺の答えは‥‥
俺は無数のスポットライトの下で精一杯の笑顔で叫んだ。
SAYAKAさんめめの弱視のリクエストありがとうございました!
6話と思ったより長くなっちゃいましたが、みなさんに感動届けられましたかね?笑
スタンプでもいいのでコメントいただけると嬉しいです☺️
またテスト前で勉強に集中しなきゃいけない時期なので、更新頻度悪くなっちゃいます🙇
またテスト明けたら更新頻度増やすのでよろしくお願いします!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。