第10話

鋼のシェルターと、壊れた大人
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2026/04/30 12:00 更新
ソンジュたちと別れ、俺たちはついに目的地「B06-32」に辿り着いた。 荒野のど真ん中、何もない場所に隠された地下への入り口。そこには、俺たちが夢にまで見た「生活の基盤」があった。
エマ
……すごい、電気が通ってる! 水も出るよ!
はしゃぐエマたち。でも、俺の神経は尖りきっていた。 漫画の知識が警報を鳴らしとる。……ここには、もう一人の生き残りがおるはずや。
shp
おい、浮かれるのはええけど武器は離すなよ
俺が釘を刺した瞬間、奥の部屋から一人の男が姿を現した。 ボサボサの髪、無精髭、そして何より——全てを諦めたような、虚無の目。
ユウゴ
……帰れ。ここは俺の城だ。ガキどもの居場所なんてねぇよ
後に「ユウゴ」と名乗ることになる、GV(グランド=ヴァレー)ハウスの生き残りや。 あいつは銃をこっちに向けてきた。レイが即座に反応してナイフを構える。
shp
どけよ、おっさん。俺らはミネルヴァさんに導かれてここに来たんや
ユウゴ
ミネルヴァ? ……あんなもん、ただの幻想だ。希望なんて持ちやがって、ヘドが出る
ユウゴの指が引き金にかかる。 エマたちが息を呑む中、俺はあえて銃口の前に歩み出た。
shp
……仲間を全員失って、自分だけ生き残ったんがそんなに苦しいか
ユウゴの目が大きく見開かれた。
ユウゴ
お前……何を……
shp
あんたの背負ってる絶望、俺には分かる。でもな、俺は情に厚い男やねん。あんたみたいな『死に損ない』を一人で放っとくほど冷たくできへんのよ
俺はユウゴの目を真っ直ぐに見つめた。 原作ではエマの真っ直ぐな言葉がこいつの心を溶かしたけど、俺は俺のやり方で、この男の「逃げ場」を奪ってやる。
shp
俺らと一緒に来い。もう一度、鬼に一矢報いたいんやろ? ……仲間の仇、討ちたいんやろ?
ユウゴ
黙れ……黙れッ!!
ユウゴが叫び、銃声が響いた。 弾丸は俺の耳を掠めて壁にめり込む。でも、俺は瞬き一つせんかった。 ここで引いたら、この男は一生救われへん。

数日の睨み合いと、俺の(半ば強引な)世話焼きを経て、ユウゴは渋々ながら俺たちに「狩猟庭園(ゴールディ・ポンド)」への案内を引き受けることになった。

(……ここからが、俺にとっての最大の賭けや。あそこにおる『ピーター・ラートリー』の息がかかった貴族の鬼ども。……あいつら、全員ここで叩き潰す)

俺は懐のペンを握りしめ、冷たく笑った。

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