ソンジュたちと別れ、俺たちはついに目的地「B06-32」に辿り着いた。 荒野のど真ん中、何もない場所に隠された地下への入り口。そこには、俺たちが夢にまで見た「生活の基盤」があった。
はしゃぐエマたち。でも、俺の神経は尖りきっていた。 漫画の知識が警報を鳴らしとる。……ここには、もう一人の生き残りがおるはずや。
俺が釘を刺した瞬間、奥の部屋から一人の男が姿を現した。 ボサボサの髪、無精髭、そして何より——全てを諦めたような、虚無の目。
後に「ユウゴ」と名乗ることになる、GV(グランド=ヴァレー)ハウスの生き残りや。 あいつは銃をこっちに向けてきた。レイが即座に反応してナイフを構える。
ユウゴの指が引き金にかかる。 エマたちが息を呑む中、俺はあえて銃口の前に歩み出た。
ユウゴの目が大きく見開かれた。
俺はユウゴの目を真っ直ぐに見つめた。 原作ではエマの真っ直ぐな言葉がこいつの心を溶かしたけど、俺は俺のやり方で、この男の「逃げ場」を奪ってやる。
ユウゴが叫び、銃声が響いた。 弾丸は俺の耳を掠めて壁にめり込む。でも、俺は瞬き一つせんかった。 ここで引いたら、この男は一生救われへん。
数日の睨み合いと、俺の(半ば強引な)世話焼きを経て、ユウゴは渋々ながら俺たちに「狩猟庭園(ゴールディ・ポンド)」への案内を引き受けることになった。
(……ここからが、俺にとっての最大の賭けや。あそこにおる『ピーター・ラートリー』の息がかかった貴族の鬼ども。……あいつら、全員ここで叩き潰す)
俺は懐のペンを握りしめ、冷たく笑った。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。