カタカタカタと休む暇なくパソコンを打つ
これで今の所最後の子のカウンセリングが終わった
同僚との約束ではこの子のレポートが終われば統括に言わなければならない
言いたくないな…そう思っていると統括に呼ばれた
俺が向かうと生徒は甘い香りがする紙袋をもって職員室の入り口に立っていた
そう言い生徒は俺に紙袋を差し出してきた、
クッキーのような甘い甘い匂いがする
彼女は確か調理師団だっただろうか
腕に紙袋を通すと思った以上にどっしりと重みがあり、思わず顔をしかめてしまった
お大事に、と言い生徒は教室に戻っていった
突然、統括が話しかけてきた
そう言うと統括はいきなり俺の腕をつかみそのまま壁に押しつけた
突然の統括の行動に職員室にいたら他の先生方がびっくりして、こちらをみていた
そして、統括は言葉を発する事なく俺の服の袖をめくった
職員室がざわつく、そりゃそうだ、
包帯を巻いても血が見えるぐらいに怪我をしているからだ
それだけを言うと統括は腕を離し、職員室から出ていった
痛みと混乱が混じり思わずその場で丸まってしまった
出て行こうとした統括が職員室の入り口から
口を出した
何でも統括は見通しているようだった、
まるで最初から知ってますよと言わんばかりに
同僚が統括の無言の圧に押されて思わず返事をする
懐から包帯を出し同僚が言った、それを遮るように
おそらく授業終わりであろう彼が話しかけてきた
名前を呼ぶと頷き、彼が魔術を発動した
意味がなかった
血が傷口から溢れ出ている傷のみが治った
図星だった、バレてしまった、こんな大人数の前で
見苦しかった、
すぐバレるのに思わず嘘をついてしまった
ブルシェンコ先生もそんな事はないって顔をしていたけど
入口にいる統括からの無言の圧に気づき、同僚の手を引き
逃げるように職員室から出た













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。