第15話

刻まれる違和感
21
2026/02/12 09:24 更新
うどんパーティーは大成功。でも、その夜。 私は、九条くんが月明かりの下で一人、首元のネクタイを苦しそうに緩めているのを見てしまった


つむぎ:……九条くん? まだ起きてたの?


聖:……っ。……あぁ、お嬢様。少し夜風に当たっていただけですよ。……まだお休みになっていなかったのですか?


九条くんが慌ててネクタイを締め直す。 でも、その一瞬。彼の白い首筋に、見たこともない奇妙な紋様のようなアザが見えた気がした


つむぎ:……ねえ、九条くん。それ、どうしたの? どっか怪我でもした?


聖:……何のことでしょうか。お嬢様は、少々お疲れのようですね。……さあ、部屋に戻りましょう。甘いココアを用意しますから


つむぎ:……またそうやって誤魔化す。……九条くんって、たまにすごく遠いところにいるみたい


私は、彼の背中に向かって小さく呟いた。 完璧な執事。私のためにすべてを尽くしてくれる彼。 ……でも、私はまだ、彼がなぜ「私」を選んだのか、本当の理由を知らない


聖:…………


九条くんは立ち止まり、振り返らずに答えた


聖:……私は、ずっと昔から、あなたをお迎えに行く準備をしていました。……それだけは、信じてください


つむぎ:ずっと昔から……? 出会ったの、つい最近じゃん


聖:ふふ。……そうでしたね。……お嬢様のマヌケな顔は、何年見ても飽きないものですから


つむぎ:マヌケって言うな!


私はいつものように言い返したけれど。 九条くんの背中が、どこか悲しく見えたのは……気のせいだったのかな


翌朝。 学園の掲示板には、昨日までとは一変した「不穏な空気」が漂っていた。 私の素性を探る、怪しい黒服の男たちが学園の周囲に現れ始めたという噂──


つむぎ:……なんなの、これ。うどんの次は、探偵ごっこ?


聖:……お嬢様。これからは、私の側を一歩も離れないでください。……いいですね?


九条くんの瞳から、いつもの余裕が消えていた。 それが、私たちの「平穏な学園生活」が終わる合図だったなんて、その時の私はまだ知らなかったんだ
作者です!今日めっっちゃあげるんでよろです!
完結までもってきます

プリ小説オーディオドラマ